エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.389
2015.01.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕 / 池西 樹(テストセッション)
水冷ユニットの冷却能力は、ラジエターのサイズによるところが大きい。水冷の冷却サイクルは、受熱ベースで吸い上げたCPUからの熱をクーラント液で冷却。温められたクーラント液はポンプの圧力でチューブを通り、ラジエターに送られたところで、冷却ファンにより水温を下げる。このくり返しでCPUの冷却を行うワケだ。中でも強制的に水温を下げる唯一の役割を果たすラジエターは、クーラント液の受け入れる量が多く、さらに冷却ファンが複数搭載できる大型サイズになるほど、高い冷却能力が期待できる。さらに冷却能力に余裕ができれば、冷却ファンは低速回転で事足りるため、静音化にも繋がる事になる。PCケースの搭載スペースが許すならば、240mmサイズラジエターの水冷ユニットを積極的に導入したい。
「AquaChanger 240」のラジエターサイズは、長さが274mm、高さが27mm。25mm厚の冷却ファンを搭載すると、外寸で高さ52.4mmとされる。導入を検討する際に、PCケースの空きスペースを確認しておこう | |
「AquaChanger 240」の240mmサイズラジエター。素材は空冷同様、放熱性に優れたアルミニウムを採用。120mm口径冷却ファンのネジ穴は両面に用意されている |
「Anti-Leakage Tube」は、4層構造の水冷チューブ。外周は厚いラバーチューブで覆われ、次の層では強化繊維構造メッシュ、さらに高密度反漏出チューブ、内部はデュポンナイロン不浸透性チューブで構成されている。
このように劣化や水漏れに強い弾性ラバーチューブを使用することで、PCケース内での取り回しも良好。数あるオールインワン水冷ユニットの中でも、トップクラスの扱い易さだ。なおチューブの長さは300mmとされている。
4層構造のラバーチューブは長さ300mm |
240mmサイズラジエターに搭載される2基の120mm口径冷却ファンには、「Dual Convex Blades Fan」が採用されている。凹みが設けられた9枚のブレードは、空気抵抗を軽減し、静音性を保ちながら多くの風量を生み出す設計。25mm厚で、リブ無しフレームが採用されている。
スペックを確認すると、回転数は500~2,300rpm±10%(PWM)で、騒音値は14~35dBA、風量22.5~103.6CFM、静圧38.2~176.0㎥/hとされる。ちなみに市場に流通する240mmサイズラジエターを備えた主なオールインワン水冷ユニットでは、600~2,400rpm (PWM)の冷却ファン採用が多く、これを僅かに下回っている。
「Dual Convex Blades Fan」は120mm口径25mm厚のリブ無しタイプ。4pin PWMコネクタを備え、2基の冷却ファンは付属の「PWM Y cable」に接続し、まとめて給電。なおラベルからDC12V/0.38Aである事が読み取れる | |
凹みが特徴的なブレードは9枚仕様。回転数を抑えて静音性を確保し、風量を得る工夫がなされている |