絵踏一のKeyboard一点突破 Vol.5
2015.01.19 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
Bastron「Ultra Slim Touch Keyboard」(型番:B2) 売価税込19,980円(2014年12月発売) 製品情報(Shenzhen Rivers Technology Co.,Ltd) |
そもそも「Ultra Slim Touch Keyboard」が店頭にやってきたのは昨年11月末のことだが、当初は発売未定の単なるサンプル品という扱いだった。それが想像以上の大反響を呼んだことから、上海問屋にて正式に取り扱いが決定。しかし入荷数は限定8台と極少量で、年の瀬に発売されるやいなや、たちまち完売してしまった。発売時点では「次回入荷の予定なし」と告知していたこともあり、本来ならここで幻のキーボードになってしまうところである。
インパクトある外観が話題を呼び、極小量が入荷するも即完売。販売当時は次回入荷の予定がなく、「不良時も返金のみ」「技術サポートなし」というスタイルの、いわば激レアなキワモノといった扱いだった |
それではもう手に入らないのかというと、レビュー執筆途中から少々事情が変わってきた。担当者より「次回以降の入荷の目処が立った」との連絡が届き、どうもそう遠くないタイミングで店頭に戻ってくることが決まったらしい。つまり読後に興味がわいても購入できるチャンスがあるいうワケで、引き続き安心してレビューを読み進めていただければ幸いだ。
それでは早速「Ultra Slim Touch Keyboard」の素性から順に話を進めていこう。最大の特長は、言わずもがな透明な強化ガラスで構成されるそのボディ。物理キーを一切搭載せず静電容量式タッチセンサーによる入力を行う、いわゆるタッチパネルキーボードと呼ばれるモデルだ。通電時にはブルーLEDの光でキーが浮かび上がる仕様で、どこか近未来を思わせるデザインには、キーボードに興味がない人でも思わず見入ってしまいそう。入力の快適さといった実用性はさて置き、まずこのビジュアルが有力な購入動機になるであろうことは間違いない。
透明ガラスにキーが浮かび上がる、タッチキーボードの「Ultra Slim Touch Keyboard」。このビジュアルに惚れ込んで衝動買いしてしまった人もいることだろう |
ちなみにこの手のタッチキーボードとしては、ミネベアの「COOL LEAF」シリーズが広く知られており、あるいはマニアはKickstarterで話題を呼んだ「Multi-Touch Keyboard and Mouse」を思い浮かべるかもしれない。これらは何もビジュアルのために実用性すべてを捨て去ったワケではなく、平面デザインであることから、メンテナンスが極めて容易というメリットがある。かつてイギリスにおける調査で「掃除をしないキーボードは便座以上に不衛生」という実態が明らかになったことを考えれば、この特性は一般ユーザーにも十分に恩恵があるだろう。
また、この「Ultra Slim Touch Keyboard」はキー入力だけでなく、キーボード面全体をタッチパッドとして使用できるという、優れた機能を兼ね備えている。詳しくは後半の解説セッションに譲るとして、恐らくこの機能こそが、本機に単なるタッチパネルキーボード以上の利便性を与えてくれるハズだ。