エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.391
2015.01.28 更新
文:GDM編集部 池西 樹
ここからは、Celeron G1820T(以降G1820T)を搭載したエントリーデスクトップPCとのパフォーマンス比較に移ることにしよう。まずは「Windows 7 エクスペリエンスインデックス」を使い、基本性能を確認していく。
Windows 7 エクスペリエンスインデックス |
まず注目したいのがプロセッサのスコア。これまでどうしてもパワー不足という印象が否めなかった省電力プラットフォームだが、「Q2900-ITX」(以降Q2900)は、G1820Tを0.1ポイント上回っており、ローエンドCPUに匹敵する実力を発揮。メモリやプライマリ ハードディスクについても7.0を超えるスコアで、基礎体力についてはエントリーデスクトップPCと遜色ないレベル。ただし、グラフィックス系スコアではグラフィックスで0.9ポイント、ゲーム用グラフィックスでも0.7ポイントと差が大きく、内蔵GPUの性能はまだ差が大きいようだ。
続いて、定番のCGレンダリングソフト「CINEBEHCN R15」を使い、CPUコアの性能を確認していこう。テストはシングルコアとマルチコアの2種類を選択している。
CINEBENCH R15(cb) |
「Windows 7 エクスペリエンスインデックス」では優位に立ったQ2900だが、Atom系SoCが苦手とする浮動小数点演算を多用する「CINEBENCH R15」では、シングルコアで約4割、コア数が2倍のマルチコア処理でも約9割と後塵を配する結果。4コアCPUとは言え、動画エンコードやレンダリングなどの処理については、過度の期待はしないほうがいいだろう。
次に「Sandra 2015:メモリーの帯域」にて、メモリ帯域幅の性能を確認していこう。
Sandra 2015:メモリーの帯域(GB/s) |
従来の省電力プラットフォームでは、メモリアクセスがシングルチャネルのため、メモリ帯域幅が大幅に制限されるという欠点があった。しかし、Bay Trail-Dではデュアルチャネルアクセスに対応したことでこの制限が緩和。デスクトップPCの約7割程度まで帯域幅が向上している。
ここからはグラフィックス系ベンチマークを使い、GPUコア性能のを中心に検証を進めていく。まずは定番の3Dベンチマークソフト「3DMark:Cloud Gate」のスコアから確認していこう。
3DMark:Cloud Gate |
「Windows 7 エクスペリエンスインデックス」でもその傾向は見られていたが、純粋なGPU性能を測るGraphics Scoreでは約4割、総合スコアでも約5割と、グラフィックス性能には大きな差がついた。内蔵グラフィックス名は同じ「Intel HD Graphics」だが、Haswell版CeleronとBay Trail-Dのそれは、全く別物であると考えたほうがいいだろう。一方、CPU性能を測るPhysics Scoreでは、G1820Tを上回るスコアを計測しており、グラフィックス性能さえ足りていれば、ゲームプレイにてCPU性能が足を引っ張るという心配はなさそうだ。