エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.392
2015.01.31 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
MSI「GTX 960 GAMING 2G」 実勢売価30,980円 製品情報(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社) |
1月22日の正式発表を受け、23日より一斉に店頭販売が開始されたGeForce GTX 960搭載グラフィックスカード。これによりメインストリームGPUは、すべてMaxwell世代に置き換わることになった |
ハイエンド向けGeForce GTX 980/970に続き、アッパーミドルクラスにも第2世代Maxwellアーキテクチャを採用するGeForce GTX 960が登場した。第1世代である低価格帯ミドルレンジのGTX 750 Ti/750を合わせれば、これでメインストリームのNVIDIA GPUがすべてMaxwell世代に更新されたことになる。シリーズ共通で旧世代を圧倒的に上回る省電力性能を獲得しており、GTX 960もまたその消費電力は6pin×1の補助電源でまかなえる120Wにまで抑えられている。
「GM204」を採用するGeForce GTX 980/970とは異なり、GTX 960ではミドルレンジ向けの新設計「GM206」コアを搭載する |
また、32基のCUDAコアで構成されるコントロールユニットを4基まとめた「SMM」(Steaming Multiprocessor Maxwell)方式を採用するのはこれまで通りながら、GeForce GTX 980/970とは異なる「GM206」コアを搭載。「SMM」数がGTX 980の半分にあたる8基に削減されているのが特長で、CUDAコアは合計1,024基を実装する。
基本スペックはコアベースクロック1,127MHz、ブーストクロック1,176MHz、メモリクロックは7,010MHzで、搭載メモリはGDDR5 2GB。メモリバス幅は先代モデルGTX 760の256bitから128bitへと削減されたのが気になるところだが、メモリ圧縮エンジン「Delat Color Compression」とメモリクロックの向上でこれをカバーしている。
MSIがリリースしたGTX 960搭載グラフィックスの中で、ゲーマー向け「GAMING Series」に属する上位モデルが、今回の主役である「GTX 960 GAMING 2G」だ。最大の特長は、何と言ってもGTX 980/970シリーズで名を馳せたセミファンレスクーラーの代表作「Twin Frozr V」の存在だろう。独自のファン制御機能「Zero Frozr」により、アイドル時にはファンを停止させることができる。100mm径の「トルクスファン」や極太ヒートパイプを組み合わせた冷却性能もさることながら、静音性もトップレベルを誇るクーラーだ。
GTX 960を搭載するアッパーミドルのグラフィックスカード「GTX 960 GAMING 2G」。同クラス最高峰の冷却性・静音性を兼ね備えるオリジナルクーラー「Twin Frozr V」を搭載する |
スペックは高性能クーラーを生かしたオーバークロック仕様であり、コアベースクロック1,216MHz(リファレンス1,127MHz)、ブーストクロック1,279MHz(リファレンス1,178MHz)へとカスタマイズ。簡易オーバークロックユーティリティ「GAMING APP」にも対応し、動作クロックやファンモードを手軽に3モードから選択できる。
また、MSI製グラフィックスカードの代名詞といえる、品質基準「ミリタリークラスIVコンポーネント」に準拠。米国防総省の軍用調達規格であるMIL-STD-810G認証をもクリアする高耐久を誇り、さらなるオーバークロック動作や長寿命が期待できる。
ゲーマー向けモデル「GAMING Series」のデザインモチーフである、ドラゴンが意匠されたパッケージ。表裏の両方で、搭載クーラー「Twin Frozr V」の優秀さがアピールされている |