エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.392
2015.01.31 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
ベンチマークテストの最後に、近々拡張ディスクのリリースも予定している、オンライン系の大作タイトル「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」の公式ベンチマークを走らせてみよう。品質設定のプリセットは“最高品質”、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンを選択して計測を行った。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 |
ベンチマークにおける“非常に快適”の基準は7000。基本的にGTX 960ではオーバースペックなためか、リファレンス比であまり優位な差はついていない。スコアは両方で頭打ち状態になっているため、こうした場合は「GAMING App」でクロックを抑えた低騒音モード「Silent Mode」にスイッチするなど、使い方を考えたいところだ。
ハードウェアベンチが一段落したところで、本項では「GTX 960 GAMING 2G」の動作中における「Twin Frozr V」の挙動を確認しよう。「3DMark」“Extreme”プリセットを10分間ループさせた際の最大値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時として、GPU温度とファン回転数を「GPU-Z」で計測した。
GPU温度計測(℃) | |
ファン回転数計測(rpm) |
まず「Twin Frozr V」は低負荷時にファンを停止する「Zero Frozr」に対応していることから、当然アイドル時はゼロ回転。ただし高負荷環境でも温度は70℃未満であり、なおかつファンは1,000回転以下とほとんど回っていない。もちろんこれ以上に冷やす余裕はたっぷりあるワケだが、基本的にはファンを必要以上に回転させない、静音志向のクーラーであることが分かるだろう。
最後に出荷時クロックとリファレンス相当のクロックにおける、動作中の消費電力をチェックする。計測には先ほど同様、「3DMark“Extreme”」プリセットを10分間ループさせた際の最大値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時に設定。ワットチェッカーを使用して計測を行った。
消費電力計測(W) |
さすがにワットパフォーマンスの高さで名を馳せたMaxwellアーキテクチャのGPUだけのことはあり、高負荷時でも200Wを上回ることなく動作していた。リファレンスクロックとの比較でも10W以下の差にとどまっており、手動でオーバークロックを施す場合でも、影響はそれほど大きくないだろう。「Afterburner」などのツールを生かし、さらなるパフォーマンスアップを狙ってみよう。
GeForce GTX 960は、旧世代GPUから劇的にパフォーマンスが進化したとまでは言えないかもしれないが、さすがMaxwellといえる省電力性能はお見事。ゲーミング標準といえるフルHD解像度において、ほとんどのシーンで快適にプレイできるだけのポテンシャルもあり、アッパーミドルクラスとしては極めて扱いやすいGPUが誕生した。
セミファンレスを一躍トレンドにした、Maxwell世代の最新作でも注目の1枚。GTX 980/970で評判を呼んだ高性能クーラー搭載モデルは、やはり完成度が高い |
そして第2世代Maxwellアーキテクチャの登場により、グラフィックスカード市場では、にわかにセミファンレス動作のモデルがクローズアップされるようになっている。特にMSIが完成させた「Twin Frozr V」クーラーは自作ユーザーたちの評価も高く、GTX 980/970シリーズの搭載モデルは、いずれも人気の高い鉄板モデルの一角。優れたクーラーにバランスの良いチューニングを掛けあわせた「GTX 960 GAMING 2G」は、兄弟シリーズ同様、GTX 960グラフィックスの有力な選択肢になってくれそうだ。