エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.396
2015.02.17 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕 / 池西 樹(テストセッション)
次に「CPU温度計測」時のファンの回転数を確認していこう。なおファンの回転数は、「HW Monitor」の「CPU Fan #1」の数値を採用している。
ファンの回転数 |
まず定格の結果を確認すると、アイドル時は715rpm、高負荷時でも約6割の1,045rpmまでしか回転数は上がらず、冷却性能にはまだまだ余裕がある。また4.60GHz時は、高負荷状態に切り替わる瞬間にほぼ全開となる1,754rpmまで回転数が上昇するものの、その後は1,300rpm~1,500rpmの間で落ち着いており、さらなるオーバークロックにも十分耐えられるだろう。
テストセッションの最後は、騒音値について検証していこう。こちらも回転数テストと同様に「CPU温度計測」実行時の騒音値を、デジタル騒音計で測定している。なお室内騒音値は32.6dBAだった。
騒音値/暗騒音32.6dBA |
定格では高負荷時でもノイズレベルは34.8dBAまでしか上がらず、騒音が気になることはなかった。一方、4.60GHz時は最高48.1dBAを計測し、お世辞にも静音とは言えないレベル。ただし、こちらも負荷が切り替わる一瞬の数値で、回転数が落ち着いたあとは45dBA以下で推移。ケースに収納してしまえば、十分押さえ込めるレベルで、このクラスのオーバークロックであれば、それほどノイズを気にすることなく運用することができそうだ。
Fractal Designといえば、ミドルタワーPCケース待望の新作「Define R5」をリリースし、これまで好調な売れ行きをみせている。その洗練されたデザインと、熟成された内部構造については、以前お届けした検証記事に詳しい。自作市場からの要望に耳を傾け、妥協なきこだわりと現時点での最良をカタチにするその姿勢。熱心な自作派が、あまたあるPCパーツメーカーから、Fractal Designをチョイスする理由は、そんなところにあるのかもしれない。
さて今回検証を行った「Kelvin S24」は、「Define R5」のリリースに合わせるように登場した水冷ユニット。今や誰もが手軽に扱うことができるようになったオールインワン水冷ユニットは、精密機器の中で液体を扱う事の懸念を各メーカーがこの数年の実績で克服してきた。一方で、差別化の難しさにより、やや飽和状態になっている感は否めない。これを打開すべく、「Kelvin S24」は従来のモデルとは一線を画し、禁断ともいえる「カスタマイズ」に対応させた。
メンテナンスフリーのオールインワンと、DIY水冷の拡張性を兼ね備え“セミ・DIY水冷”にチャレンジした「Kalvin S24」は、Alphacoolの協力の下に開発されただけあって、ポンプ一体型ウォーターブロックもラジエターも、本格的な水冷パーツで構成されている。TDP250Wに対応を謳うだけあって、冷却能力にも申し分ない。「Kalvin S24」は実にFractal Designらしく、ひと味違う“新ジャンル”とも言うべき、オールインワンユニットとDIYとの「ハイブリッド水冷ユニット」に仕上げられた。