エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.399
2015.03.03 更新
文:GDM編集部 池西 樹
「DOKO」とホストPCの接続が成功すると、「DOKO」のHDMI出力からホストPCの画面が表示される。マウスやキーボードによる各種操作にも対応し、PCと同じ感覚で利用できる |
ストリーミング接続は、ホストPCまたは「DOKO」から、サムネイルをクリックするだけで完了する。接続が成功するとHDMI出力からホストPCの画面が表示され、「DOKO」に接続されたUSBデバイスで各種操作を行うことができる。フォルダの拡大・縮小アニメーションや、素早いカーソル移動などでは、わずかにコマ落ちがあるものの、それ以外のWindows操作はほとんど違いなく、画質の劣化も見られなかった。さらにHDMI経由でのサウンド再生にも対応しているため、通常作業でリモートアクセスであることを意識させられるシーンはほとんどないだろう。
ストリーミング開始時には、「DOKO」側に接続したUSB機器を認識するため、毎回デバイスドライバーのインストールが実行される |
ただし、ネットワークを経由して配信しているため、並べて表示すると表示遅延があるのは明らか。動画再生であれば、気になるほどではないが、FPSゲームなど瞬時の判断が必要とされるソフトでは、厳しく感じることもありそうだ。また「DOKO」ではギガビットLAN環境が推奨されているが、試しに10/100Base-Tのルーターに接続して動作を確認したところ、動画やゲームプレイ時にはたびたびコマ落ちがみられた。低価格な無線LANルーターでは、有線接続が10/100Base-Tに制限されているモデルもあるため、購入する際には必ずチェックしておこう。
快適な動作にはギガビットLAN接続が必須。購入する際にはネットワーク環境をあらかじめチェックしておこう |
続いて、気になる消費電力を確認してみたところ、ストリーミング受信の有無に関わらずおおむね2~3Wで推移。筐体の発熱も気になることはなく、常時起動させたままで運用していても特に問題はないだろう。
ちなみに「USB Over IP」対応USBポートで利用できるのは入力機器のみ。今回の検証では、USBメモリやHDD、Bluetoothアダプタ、無線LANドングルなど手持ちのアイテムをいろいろ接続してみたが、いずれも認識しなかった。ストレージ系アイテムについては、利便性が大きく向上することから、今後のアップデートでの対応にぜひ期待したいところだ。
「DOKO」に接続されたキーボードやマウスは標準的なHIDデバイスとして認識される | |
キーボード・マウス以外で認識させることができたのはゲームパッドのみ。帯域幅の問題もあるが、ストレージデバイスにはぜひ対応してもらいたい |
リビングTVの機能を拡張して、いわゆるスマートTV化するアイテムとしては、今のところAndroid OSをベースにしたセットトップボックスやスティック型端末が主流だ。しかし、パフォーマンスによる制限で再生できないファイルがあったり、Windowsとの操作の違いに慣れないという人も少なくないだろう。そういった向きには「DOKO」は非常に魅力的な製品だ。別途ホストPCが必要になるものの、その点さえクリア出来れば、使い慣れた環境で、ほぼ全てのマルチメディアファイルやゲームを楽しむことができる。
低遅延・高速な操作ができる「DOKO」。リビングTVの機能拡張だけでなく、複数台のPCのリモート管理にも大いに力を発揮してくれるだろう |
また複数台のPCを利用しているユーザーにとっても、面白い存在になりそうだ。これまでのリモートアクセスでは、遅延が大きく難しかった複雑な作業も「DOKO」であれば、それほど違和感なく操作可能。PCとLANケーブル1本で接続できることから、デスク周りのスペースを占有しているPCを押入れや、部屋の角に移動し、煩雑になりがちなデスク周りをスッキリと整理整頓できる。ギガビットLAN対応により、低遅延・高速なリモートアクセスを実現した「DOKO」は、既存の使い方にとらわれない、PCの新たな使い方を提案するユニークなアイテムと言えるだろう。