エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.400
2015.03.06 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
MSI「Z97S SLI Krait Edition」 実勢売価18,000円前後 製品情報(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社) |
自作PCの世界も今や単に安く上がるという性格とは異なり、自在に自分好みのパーツを組み合わせられるという、趣味の領域が大きなウェイトを占めている。そのため、リリースされるパーツたちも機能性やパフォーマンスに加え、デザイン上の完成度がより一層重視されるようになった。もちろん「箱を閉めれば分からない」という実用性一点張りの意見もあるかもしれないが、アクリル窓を採用するケースが急速に普及したことからも、“魅せるPC”への需要の高まりをうかがい知ることができる。
スタイリッシュなパーツを厳選、コンセプトに沿った“オブジェ的PC”を作り上げる「Case Mod」の世界。モノトーンの異色なマザーは、そうした自由な発想から誕生した |
今回MSIよりデビューした「Krait Edition」は、そうした魅せる要素にフォーカスした異色のモデルだ。ちなみに見栄えのよさを意識して自作するアプローチとしては、パーツのカラーリングを統一したりといったシンプルなコンセプトから、果ては改造を施してオブジェのような姿に作り上げる「Case Mod」までと様々。「Krait Edition」は、まさにその「Case Mod」の世界から誕生したもので、開発には名だたる“Case Modders”が参加している。白と黒のモノトーンに染まったこのマザーボードを核に、いったいどんなマシンが組み上がるのだろうか。
ヘビが睨みつけてくる迫力満点のパッケージ。ちなみに製品名の“Krait”とは猛毒をもつコブラ科の「アマガサヘビ」のことで、白黒の体色とその攻撃性からトレードマークに採用されたという |
今回の主役である「Z97S SLI Krait Edition」は、Intel Z97 Expressを搭載するATXフォームファクタのマザーボード。パフォーマンスモデルとして昨年5月に発売された、「CLASSIC Series」の「Z97S SLI PLUS」がベースになっており、いわばその兄弟機といえる存在だ。ちなみに同じく「CLASSIC Series」に属するGeForce GTX 960グラフィックスカード「GTX 960 2GD5T OC」は、「Krait Edition」の登場に合わせて従来製品からカラーリングを刷新。「Armor 2X」クーラーの配色が見慣れた「黒×青」から「白×黒」に変更され、モノトーンで統一したシステムが組めるようになった。
「Krait Edition」の登場に合わせ、伝統の「Armor」カラーからモノクロ仕様に変身した「GTX 960 2GD5T OC」とは相性抜群。こうした配色の妙を楽しめるのが一番の醍醐味かもしれない |
仕様上はベースモデルの「Z97S SLI PLUS」とも共通点が多く、2基のPCI-Express3.0(x16)スロットによる2-WAY NVIDIA SLI/AMD CrossFire X構成に対応。簡易オーバークロック機能「OC Genie4」も備え、性能を重視したゲーミングPCの構築にも向く。最大3,300MHzの高クロックメモリやM.2、SATA Expressなどの高速インターフェイスもサポート、中堅マザーボードとして必要な機能はしっかりと網羅されている。
さらに軍事規格に適合する「ミリタリークラス4」に準拠した、MSI製マザーボードならではの強靭さも見逃せない。信頼性に優れた高品質コンポーネントによる、きわめて高い耐久性も大きな魅力なのだ。