エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.401
2015.03.20 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
ベンチマークテストの最後は、同じくオンラインタイトルから「ドラゴンクエストX」のベンチマークをテスト。グラフィック設定を“標準品質”にセットし、先ほど同様に1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンの解像度で計測を行った。
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンラインベンチマーク |
こちらも「FF XIV」ベンチとほぼ同様の結果になった。1,280×720ドットでは“快適”、フルHD解像度でも“普通”のスコアをマークし、設定次第ではやや大きめの解像度でも遊べなくはないという印象だ。軽めのオンラインタイトルがメインのライトゲーマーであれば、十分快適に遊ぶことができるだろう。
テストセッションの締めくくりとして、ベンチマーク実行中の消費電力を確認しておきたい。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「ファイナルファンタジーXIV」ベンチマーク実行時の最も高い値とし、ワットチェッカーを使用して計測を行った。
消費電力(W) |
cTDP Downにより600MHzまでクロックが低下するため、アイドル時はシステム全体でもわずか10W。ベンチマーク実行中の高負荷時でも30W台と、きわめて低く抑えられた消費電力はさすがだ。Broadwellでさらに省電力化が進んだこともあり、常時稼働させておくような使い方にもマッチしている。
約12cm角という、ほとんど冷却ファンのような専有面積の“手のひらPC”にあって、「GB-BXi7-5500」は現行でも最強クラスのモデルだ。“Broadwell-U”世代で先駆けて上位CPUのCore i7を搭載してきた製品でもあり、このサイズ感とハイパフォーマンスを両立させたいユーザーにとっては魅力的な選択肢といえる。外寸比でもHaswell世代の「BRIX」から厚みが4mm増した程度で、まさに順当なアップグレード。より省電力になったことで発熱や騒音も概して控えめであり、Broadwell世代への進化で実用性は大きく向上した。
Broadwellに進化してもサイズ感はそのまま。CPU以外は基本構成もそれほど変わらず、同等の使い勝手で実用性が大きくアップグレードされた |
ただしCPU以外の基本構成にはあまり手が入れられておらず、特にストレージはmSATAが引き続き採用されている。近頃のトレンドであるM.2の採用見送りには首を傾げた人もいるかもしれないが、そもそもmSATA SSDは流通量の多さから割安感もあり、必ずしもデメリットとはいえない。トータルパッケージの性能も、軽量なオンラインゲームであれば問題なく遊べてしまえるだけのポテンシャルがあり、超小型PCとしての完成度は高い。それほど用途を限定しなくても期待通りに働いてくれることから、このサイズで出来る限りのパフォーマンスが欲しい、という欲張りなニーズを十分満足させてくれるだろう。