エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.411
2015.05.02 更新
文:GDM編集部 池西 樹
ATTO Disk Benchmark 2.47:HDD | ATTO Disk Benchmark 2.47:ARC 100 |
HDDでは読込・書込とも約80MB/secまでしか上がらないのに対して、「ARC 100」では読込279MB/sec、書込263MB/secを計測。いずれもインターフェイスの限界に近い数値を計測しており、動画や画像ファイルのようなサイズの大きいデータのやりとりも高速に行うことができる。
Windowsの起動時間 |
Windowsの起動時間は69.7秒から25.4秒へと約1/3に短縮。実際に使用していてもOS、アプリケーションの起動とも高速化されていることが体感でき、同じPCを使用しているとは思えないレベル。さらにHDDへのアクセス音がなくなったことで、“待たされている”印象がないのも体感速度の向上に一役買っている。
ノートPC使いで気になるのはこれからの季節だ。パームレスト部の発熱は長時間作業には実に不快。SSD「ARC 100」に換装する事で、どれほどの恩恵が得られるのだろうか |
続いて、消費電力と発熱の違いを確認していくことにしよう。ストレステストには「AIDA64 Extreme」の「System Stability Test:Stress local disks」を使い、消費電力とストレージ搭載部直上のパームレスト部の温度を計測している。なおアイドル時は10分間放置した状態の数値、高負荷時はストレステスト実行時の最高値をそれぞれ採用している。
消費電力 | |
パームレストの温度 |
消費電力は標準装備されているHDDが省電力向けの2.5インチ/5,400rpmモデルということもあり、アイドル時で0.3W、高負荷時でも0.5Wとその差はわずか。ただし発熱はアイドル時で2.3℃、高負荷時には4.7℃低下し、パームレストに触れた印象も明らかに違う。さらに冷却ファンの回転時間や回数も少なくなっており、PCの安定性向上や長寿命化といった効果も期待できそうだ。
今回の撮って出しレビューでは、OCZ「ARC 100」シリーズによるオールドPCのアップグレードについて検証してきたわけだが、その効果はまさに絶大。SATA3.0(6Gbps)SSDでは最廉価帯に位置づけられる製品ながら、OSやアプリケーションの起動は格段に高速化され、同じPCを使っているとは思えないほど体感速度は向上した。またパームレスト部の発熱も抑えられ、ノートPCでの入力でありがちな不快感を抑えられるのも、想定外のメリットだった。
HDDから「ARC 100」シリーズへ換装することで、ノートPCのパフォーマンスを劇的に改善することができる |
ストレージ交換という一種改造行為にあたる作業だが、多くのノートPCでは底面や側面部にドライブベイが用意されており、PCの組み立てやメモリ・HDDの増設を一度でもやったことがあるユーザーであれば問題なく作業できるレベル。製品保証が受けられなくなるデメリットもあるものの、オールドPCではこちらも大きな障害にはならないだろう。さらに交換したドライブは、HDDケースを使えば外部ストレージとして利用でき、一切無駄が出ないのも嬉しいところ。オールドノートPCのパフォーマンスに不満があるなら、買い替えの前にぜひ「ARC 100」シリーズによるドライブの換装を検討してみて欲しい。