エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.412
2015.05.05 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
最後はオンライン系タイトルより、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」の公式ベンチマークテストをチョイス。品質設定のプリセットは“最高品質”、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンを選択して計測を行っている。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 |
今ではやや軽めの部類の入るテストのため、フルHD解像度でも15000台と圧倒的なスコア。“非常に快適”とされる7000ラインにダブルスコアをつけており、快適プレイはまったく問題なし。この構成であれば、オンライン系のゲームで苦労することはまずなさそうだ。
ひと通りパフォーマンスチェックを終えたところで、今度は「G-Master Vengeance X99-Mini」の搭載するCORSAIR製の水冷ユニット「H100i」の冷却性能を確かめてみよう。CORSAIR公認モデルの冷却部門を担うパーツだけに、システムの冷却にどの程度影響を及ぼしているかは気になるところ。そこでストレステスト「OCCT 4.4.0」の「POWER SUPPLY Test」を60分間動作、同時にハードウェアモニター「HW Monitor 1.27」を使用して、CPU温度およびラジエター搭載ファンの回転数を計測した。なお、逆に起動後30分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
CPU温度(℃)/室内温度26℃ | |
ラジエターファン回転数(rpm) |
CPU温度はフルロード時でも60℃を下回る良好な結果で、アイドル時は30℃台とさすがの冷却性能を見せつけた。公称最大値が2,700rpm±10%とされるラジエターファンもまた、高負荷時でも1,000rpmをやや上回る程度で、「Carbide Air 240」の効率的な熱源配置が奏功している印象だ。これなら定格運用での安定動作は言うに及ばず、オーバークロックにチャレンジする余地も十分にありそう。搭載マザーボードがOC性能に長けたモデルであることも、マッチングの妙と言えるかもしれない。
「G-Master Vengeance X99-Mini」のテストの締めくくりとして、システム全体の消費電力をチェックしておこう。CPU・グラフィックスカードともにハイエンド構成なマシンだけに、高負荷時にはいったいどれほどの電力を消費しているのだろうか。計測にあたっては「OCCT 4.4.0」の「POWER SUPPLY Test」を60分間動作した際の最高値を高負荷時、逆に起動後30分間放置した際の最低値をアイドル時に設定。ワットチェッカーを使用して計測を行った。
消費電力(W) |
従来であれば大食いの原因になるグラフィックスカードも、さすがMaxwellアーキテクチャ採用のGTX 980といえる計測値。省電力モードで動作するアイドル時は60Wと大人しく、フルロード時でも326Wに収まった。本機の搭載電源が650Wであり、一般に電源ユニットは50%負荷時に最高効率で動作することから、まさにシステムとして理想的な消費電力といえる。
かつて検証を行った初代「G-Master Vengeance」の系譜を継ぐ、エンスージアスト向け「G-Master Vengeance X99-Mini」の完成度はさすがの一言だ。ウルトラハイエンドプラットフォームにGTX 980、かつ水冷仕様というパワフルな構成を、CORSAIRの秀作MicroATXケースが実にうまく受け止めている。2層構造の筐体には粒ぞろいのパーツたちが伸び伸びと搭載されており、MicroATXモデルにありがちな無理やりさ、あるいは詰め込み感のようなものは一切なし。効率的な熱源配置や優れた水冷ユニットの性能も手伝って、信頼のおける長い付き合いが見込めそうだ。
ハイエンドプラットフォームで構成されるMicroATXモデルとしては、これまでになく成功作な予感。パフォーマンスしかり内部構造や演出などの“佇まい”しかり、ゲーミングマシンとしての完成度はきわめて高い |
さらにATXモデルから拡張性と引き換えに大幅な省スペース化を果たしており、むしろ完成品としての扱いやすさは一層向上した。マシンをまるでショウケースのように演出してくれるイルミネーション機能も魅力的で、ゲーミングPCとしては極めて完成された1台に仕上がっている。MicroATXのサイズ感で最強を目指すなら、まずこの「G-Master Vengeance X99-Mini」が絶好のベースになるだろう。