エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.420
2015.06.24 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
ASRock「USB 3.1/A+C Card」 実勢売価6,500円前後 製品情報(マスタードシード) |
USBの標準化をつかさどるUSB-IF(USB Implementers Forum)の発表から、約2年が経過し、ようやく対応機器が登場し始めたUSB3.1。新たに策定された「Type-C」では、上下を気にせずに挿せるリバーシブル仕様のコネクタを採用し、ノートPCなどの給電コネクタやHDMI、DisplayPortなどの外部出力端子としても使える。しかしながら、自作PCユーザーが最も気になるのはUSB3.0の2倍となる10Gbpsに向上した転送速度だろう。
従来のUSBコネクタ(Type-A)と同一形状ながら、転送速度が大幅に向上するUSB3.1 |
USB3.0では内部で8bitのデータを10bit分のシンボルに変換して転送しているため、最大転送速度は5Gbpsでも、実際に転送されるデータはその8割になり、実効データ転送速度は4Gbps=500MB/secになっていた。これがUSB3.1(Gen 2)では、132bit分(128bit+4bitのコントロール情報)のデータ転送を行なうことで、USB3.0の2.4倍となる実効データ速度1.21GB/sec(10Gbps×128bit/132=9.6969Gbps)を実現している。
それほど速度向上していないHDDならUSB3.0でまったく問題ないが、SATA3.0(6Gbps)を超えてきているSSDを外付けで使うには、USB3.1はマストといえる。
転送速度が大幅に向上したUSB3.1だが、下位互換性はバッチリ。Type-Cが新たに追加されたが、そのほかのコネクタやケーブルは、USB3.0と同一仕様。ただし、ハブを介しての接続時は、従来同様に“上流の速度で下流の速度が決まる”ことになる。要するに、ホストがUSB3.1対応であっても、途中に下位互換のハブがあると、それ以下の機器の転送速度は制限されるわけだ。そんなUSB3.1インターフェイスを既存のPCに手軽に増設できるのが、ASRock「USB 3.1/A+C Card」だ。
「USB 3.1/A+C Card」は、Type-AおよびType-Cコネクタをそれぞれ1基ずつ搭載している |
秋葉原では初のUSB3.1対応インターフェイスカードとして登場したASRock「USB 3.1/A+C Card」。実勢売価は6,500円とちょっと高めだが、従来と同じ形状のType-Aに加えて、リバーシブル仕様のType-Cコネクタをそれぞれ1基ずつ備える。
その上、Type-Cコネクタは、USB3.0の最大となる900mAの3倍以上となる5V/3Aの給電に対応しており、「USB 3.1/A+C Card」ではスマホ/タブレットなどの高速充電が謳われている。PCとの接続はPCI-Express(x2/x4形状)インターフェイスで、USB3.1コントローラはASMedia「ASM1142」を採用。対応OSは、Windows 8.1/8/7(32/64bit)で、ASRock製マザーボード以外に接続しても使用できる。