エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.423
2015.07.03 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
「GTX 980Ti GAMING 6G」は、MSI「GAMING Series」の例にもれず、標準で高いオーバークロック仕様になっているのもポイント。10フェーズの電源回路や8pin×2の補助電源、独自品質規格「ミリタリークラス4」といったオリジナル設計によって、リファレンスモデルを凌駕する高クロックによる安定動作を実現。独自のチューニングユーティリティ「Gaming APP」を使用することで、最大(OC Mode)で定格コアクロック1,178MHz(リファレンス1,000MHz)、ブーストクロック1279MHz(同1,075MHz)へパワーアップだ。リファレンスクロックでさえ、GTX TITAN Xに迫る性能を発揮するGTX 980 Tiなので、「GTX 980Ti GAMING 6G」のパフォーマンスには大いに期待できるだろう。
各モードボタンをクリックするだけで、コアクロックやファン回転数などを調節できる「Gaming APP」 | |
そのほかワンクリックで、コントラストなどを用途にあわせて調節する機能なども備わっている |
「GTX 980Ti GAMING 6G」のトピックや基本スペックに続いては、じっくりその外観を眺めていこう。
オリジナル設計の基板デザインやクーラー「Twin Frozr V」を採用する「GTX 980Ti GAMING 6G」だが、基板長はリファレンスデザインGTX 980 Tiとほぼ同じ269mmになっており、厚みもキッチリ2スロット分に収まっている。ただ、基板の幅は140mmとリファレンスから30mm近く増えている。ミドルタワーやマイクロタワー型では、まず問題にならないが、薄型PCケースやデスクトップ型PCケースでは、サイドパネルなどに干渉してしまうことがあるので、少々注意が必要だろう。
なお、ディスプレイ出力端子はDualLink DVI-I×1、HDMI2.0×1、DisplayPort1.2×3の構成で、最大4画面の同時出力に対応している。
「GAMING Series」のロゴマークであるドラゴンのLEDを「Twin Frozr V」に搭載していたり、大きくなった基板幅を支えるヒートシンクを兼ねた補助プレートを備えていたりと、こだわりを感じされる部分がある。ゲーミングパフォーマンスや動作の安定性に直接影響する部分ではないが、高価なだけに細かいところの配慮も魅力のひとつになるだろう。
ちなみにクーラー部に備わっているドラゴンのLEDは「Gaming APP」で発光パターンの変更が可能。また発光そのものをオフにすることもできる。
「GAMING Series」のロゴマークであるドラゴンのLEDをクーラー側面に搭載。ブランドロゴはブラケット側ファンなどにも飾られている | |
通電時に点灯するドラゴンのLEDは、発光パターンを5つから選択できる | |
一般的なグラフィックスカードよりも幅のある基板を支える補助プレートを装備。メモリ部のヒートシンクと一体になっており、基板全体の歪みを抑えている |