エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.424
2015.07.10 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
密閉されたフロントドアを備え、標準状態ではトップパネルが塞がれている「F51」は、一目で「静音コンセプト」である事が分かる。一方で簡単なカスタマイズにより、高エアフローモデルに姿を変え、多くの冷却ファンを増設する事ができるようになっている。ここからは「F51」の冷却機構について、詳しく解説していこう。
フロント部には、標準で200mm口径ファンが1基装備されている。密閉デザインの「F51」だが、開閉ドアを開くと内部フロントパネルには面積の広い通気孔が隠されている。またドア両側面には外気を取り入れるには十分なスリットが設けられており、見た目以上に通気性がしっかりと確保されている事がわかる。
なお標準搭載される200mm口径ファン以外にも、140mm口径ファン2基、または120mm口径ファン3基に換装が可能。ラジエターは120mmから最大420mmまで搭載できるようになっている。
HDDケージ(2.5/3.5インチシャドウベイ)に隣接するように標準搭載される200mm口径(30mm厚)ファン。スペックは回転数600~800rpm、騒音値13~15dBAとされている |
標準では密閉された状態ながら、天井パネルが”必要箇所だけ”取り外す事ができるトップ面をチェックしてみよう。静音志向の「F51」の天井部分には、両サイドパネルやフロント開閉ドア同様、遮音材が貼り付けられたパネルが装着されている。密閉状態により音が漏れない徹底した対策が施されているワケだが、これらは3分割で着脱ができるようになっている。これが「Sound-damping Covers」だ。
「FRONT」「MIDDLE」「REAR」の3枚で構成され、各々は4本のテーパーネジでトップパネルに固定。冷却ファンを増設したい場合や、ラジエターを設置したい場合、さらに自然排気させたい場合にも、自由に取り外す事ができる。なお増設できるのは、200mm口径ファン2基、または140mm口径ファン3基、または120mm口径ファン3基で、ラジエターはフロント同様、120mmから最大420mmまで搭載可能だ。
リア部には140mm口径排気ファンが1基標準搭載されている。25mm厚でインペラ数は9枚。Thermaltakeの標準モデル「Turbo fan」で、回転数は1,000rpm、騒音値は16dBAの静音仕様だ。なお120mm口径ファン換装用のネジ穴も装備され、選択肢の多いオールインワン水冷ユニット等のラジエターが搭載できるようになっている。
リア排気方向に標準マウントされる140mm口径「Turbo fan」 |
ボトム部にも120mm口径ファン2基が増設できるスペースが確保されている。設置面から外気を取り入れ、下から上にエアフローを構築させようというもので、グラフィックスカードへの直接的な冷却にも効果が期待できる。もちろんラジエターも最大240mmサイズまで搭載できるが、底面スペースは電源ユニットとスペースを分け合う格好になるため、兼ね合いは考慮しなければならない。
電源ユニットとHDDケージ(2.5/3.5インチシャドウベイ)間に用意された、120mm口径ファン×2基分の増設スペース。利用頻度は最も低いはずだが、底面には防塵フィルタが装備されている |
今回借り受けたのは「F51 No Window」。つまりより静音に特化したアクリル窓無しタイプだ。このモデルに限り、左側面下寄りに増設ファンスペースが設けられている。普段は遮音材が装着されたパネルで塞がれているものの、これを外すことで120mmまたは140mm口径ファンが1基増設できる。拡張カードの横に位置するだけに、グラフィックスカード等へエアフローが欲しい場合に有効だ。
通常4本のネジで固定されている遮音材装着済みのブランクパネル。これを取り外せば120mmまたは140mm口径ファン1基が増設できる |