エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.427
2015.07.22 更新
文:GDM編集部 池西 樹
ゲーム系ベンチマークのラストは、「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンラインベンチマーク」で締めくくろう。こちらも品質設定のプリセットは“最高品質”にセットし、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンを選択して計測を行った。
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンラインベンチマーク |
解像度によるスコア差がほとんどないことからも分かる通り、「NITRO R9 380 4G GDDR5」では性能が飽和。「リファレンス想定」との差も1%以下しかなく、「ドラゴンクエストX」をプレイするなら、より高解像度な液晶ディスプレイを組み合わせて楽しみたい。
パフォーマンスベンチマークが一段落したところで、ここからはSAPPHIREオリジナルクーラー「DUAL-Xクーリング」のポテンシャルを確認していこう。いずれも「3DMark」実行時の最大値を高負荷時、起動直後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
GPU温度(℃)/室温26.7℃ | |
ファン回転数計測(rpm) |
ファンの回転が停止しているアイドル時は40℃後半で安定。ちなみにこの状態でファイル操作やWebブラウジングなどの基本的な操作をしても温度に変化はなく、ファンレス駆動でも冷却性能は十分。また高負荷時でも回転数は約50%となる1,200rpm前後。温度も68℃までしか上がらず、まだまだ余力を残していた。
騒音値計測(rpm)/室内ノイズ32.1dBA |
続いて騒音値を確認していこう。ファンが停止しているアイドル時に室内ノイズより大きくなったのは、CPUクーラーのファンノイズをひろってしまうため。アイドル時の静音性にこだわるなら、CPUクーラーも極静音モデルをチョイスする必要がある。また高負荷時でも40dBAを超えることは一度もなく、バラック状態にも関わらず、テスト中にノイズが気になることはなかった。
ベンチマークテストのラストは、消費電力測定で締めくくろう。測定は「3DMark」実行時の最高値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最小値をアイドル時に設定し、ワットチェッカーを使い計測を行った。
消費電力(W) |
アイドル時は省電力機構により、電圧・クロックとも同等レベルまで下がるため違いはなし。高負荷時も「リファレンス想定」から+6.5Wとその差は軽微。オーバークロックによる電源ユニットへの負担は考えなくてもいいだろう。消費電力も最大で280W強までしか上がらないことから、シングルグラフィックス環境なら500Wクラスを用意してやればまかなうことができる計算だ。
Radeon R9 285をベースに、ブラッシュアップされた新型GPU Radeon R9 380。今回の検証を見る限り、フルHD解像度までなら、ほぼすべてのゲームを最高画質でプレイできる性能を実現。またハイエンドCPUとの組み合わせでも、消費電力が300Wを超えることはなく、標準的な電源ユニットでまかなえる点は如何にもアッパーミドルらしい、バランスのとれたGPUに仕上げられている。加えて、Windows 10で新たにサポートされる「DirectX 12」をはじめ、「Vulkan」や「OpenGL 4.5」など最新APIに正式対応している点も、これから新規PCを構築する人には大きなポイントになるだろう。
安定性や品質にもこだわったという「NITRO R9 380 4G GDDR5」。特に静音性はすばらしく、騒音を抑えつつパフォーマンスも欲しいという欲張りなニーズにしっかりと応えてくれる |
そして今回取り上げた「NITRO R9 380 4G GDDR5」に目を向けると、まずはその静音性の高さに驚かされた。ファンレス駆動のアイドル時はもちろん、高負荷時でも騒音が気になることはなく、冷却性能も必要十分。窒息系の静音ケースと組み合わせてやれば、ほぼ無音に近いゲームPCを構築することができるだろう。またATX/MicroATXサイズに収められたボード長や、着脱が容易な補助電源コネクタ、高品質なコンポーネントに支えられた安定性・耐久性など、細部までこだわった作りはまさに秀逸。Radeon R9 380グラフィックスカードの定番となりうる1枚だ。