エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.428
2015.07.25 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
「GTX 980 Ti ArcticStorm」のパフォーマンスを下支えする、優れた冷却機構。三連ファンに大型ヒートシンク、水冷ヘッドから構成される多重構造をなしている |
「GTX 980 Ti ArcticStorm」の最大の特徴である、「ArcticStorm」クーラーとはいったいどのような構造になっているのか。クーラーを基板より引き剥がし、隅々まで確認してみよう。
まず冷却のキモとなるのが、水冷ヘッドと一体化した大型の銅製ベースだ。これがGPUより効率よく熱を吸い上げ、6mmの大口径ヒートパイプを通じてヒートシンク全体へ熱を伝達。さらにその上から、微細なアルミ製フィンに向けて90mmの三連装ファンが吹き付けるという、数あるVGAクーラーの中でも最大級の機構を構成している。
外観からしていかにも冷えそう、といった「ArcticStorm」クーラー。その恩恵をフルに活用するには、やはりカスタム水冷のシステムに組み込んでこそと言える。本項では、ZOTACによるリファレンスクーラーとの比較をチェックしてみよう。
空冷動作時のリファレンスクーラーとの比較 | |
空冷+水冷動作時のリファレンスクーラーとの比較 |
まず空冷のみの比較を見てみると、高負荷時の騒音値こそほぼ同じなものの、その冷却パフォーマンスはアイドル時36%、高負荷時15%と大きく向上していることが分かる。さらに水冷環境下での検証においては、アイドル時で30%、高負荷時に至っては実に63%もの差が開くことになった。しかも水冷環境下では、テストを通じてファンが稼働せず、まだまだ余力を残していることが窺える。空冷×水冷のフルパフォーマンスを実感するには、さらなるオーバークロック動作が必要になりそうだ。