エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.432
2015.08.14 更新
文:GDM編集部 池西 樹
パフォーマンスベンチマークが一段落したところで、ここからはオリジナルクーラーのポテンシャルを確認していこう。いずれも「3DMark」実行時の最大値を高負荷時、起動直後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
GPU温度温度(℃)/室温27.1℃ | |
ファン回転数計測(rpm) |
GPUコア温度はアイドル時46℃、高負荷時72℃までしか上がらず冷却性能は非常に優秀。回転数も約40%となる1,500rpm前後で安定しており、ケース内のエアフローが多少厳しいPCに搭載しても、冷却不足に陥ることはないだろう。
騒音値計測(rpm)/室内ノイズ32.1dBA |
続いて騒音値を確認すると、アイドル時のノイズはCPUクーラーのほうが大きく、セミファンレスモデルとの区別がつかないほど。高負荷時は40dBAを超え、アイドル時との違いはあるものの、バラック状態でも耳障りに感じることはなかった。あくまでも主観ながら、PCケースに入れてしまえばデスク上に置いたとしても騒音が気になることはないだろう。
ベンチマークテストのラストは、消費電力測定で締めくくろう。測定は「3DMark」実行時の最高値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最小値をアイドル時に設定し、ワットチェッカーを使い計測を行った。
消費電力(W) |
アイドル時は省電力機構により、電圧・クロックとも同等レベルまで下がるため消費電力に違いはなし。高負荷時も「リファレンス想定」から+1.9Wとほとんど違いはなく、オーバークロックモデルということを意識する必要はないだろう。消費電力も300Wを大きく下回っており、電源ユニットへの負担はそれほど大きくない。
TDP190WのアッパーミドルRadeon R9 380をMini-ITXサイズに収めた「R9 380 ITX COMPACT」。ヒートシンクサイズが大きく制限されることから、特に冷却性能には不安を感じていたが、今回のテスト結果を見る限りまったくの杞憂に終わった。コンパクトモデルにありがちな耳障りなノイズもなく、何も犠牲にすることなく大幅なコンパクト化を実現しているあたりは、グラフィックスカードを得意とするSAPPHIREらしいカスタマイズの妙と言える。
Mini-ITXマザーボードとの相性の良さは言わずもがな。ケース内のエアフローに苦労しているユーザーにもぜひオススメしたい |
近頃では、ハイエンドグラフィックスカードを前提としたMini-ITXケースも多くラインナップされ、以前に比べるとショートモデルの需要が減っているのは事実。しかし、ケース内のエアフローや組み込みやすさを考慮すれば、その長さが大きなメリットになるのは間違いない。さらに、高品質なコンポーネントにより耐久性・安定性にもこだわった「R9 380 ITX COMPACT」は、スタンダードモデルの代替としても有望な選択肢になるだろう。