エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.436
2015.08.28 更新
文:GDM編集部 池西 樹
BCLK専用のチューニングIC「TURBO B-CLOCK」。本チップを実装することで、0.01MHz刻みのより詳細なBLCK設定が可能になる |
「GIGABYTE Z170」シリーズでは、「TURBO B-CLOCK」と呼ばれるBCLK専用のチューニングICを搭載することで、IvyBridge / Haswell世代では難しかった詳細なBCLK調整に対応する。そこで今回は、CPU倍率やコア電圧には触らず、BCLKのみ変更して、どこまで動作クロックを上げられるのか挑戦してみることにした。
BCLK 112MHz(4.48GHz)までは安定動作が可能。倍率や電圧を調整してやればさらに上も狙えるだろう | |
BCLKを引き上げているため、アイドル時の動作クロックも上昇。低負荷時のパフォーマンスアップも期待できる |
今回はBCLKのみ調整するライトなオーバークロックながら、112MHz(4.48GHz)まではベンチマークが完走。さらにOSの起動だけなら115MHz(4.60GHz)まで引き上げることができた。100MHz / 133MHz / 166MHz以外のクロックでは±5MHzあたりが安全圏だったHaswell / Haswell Refresh世代に比べると、BCLKの自由度は格段に上がっていることがわかる。
BCLKによる簡易チューニングを確認したところで、パフォーマンスへの影響を「CINEBENCH R15」にて検証しておこう。
CINEBENCH R15(cb) |
シングルコア、マルチコアとも約11%スコアが向上。これはBCLKの上昇率とほぼ同等で、チューニング効率の高さが伺える。近頃では“オーバークロック”イコール“CPU倍率変更”という印象が強かったが、「GA-Z170X-Gaming G1」とSkylakeを使うなら、BCLKによるオーバークロックにもぜひ挑戦してみて欲しい。
続いてオーバークロックによる消費電力への影響について確認しておこう。計測にあたっては「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
消費電力(W) |
コア電圧を変更しない簡易チューニングのため、アイドル時で1.2W増、高負荷時でも11.7W増とその差はわずか。冷却や電源ユニットへの影響も軽微で、このまま常用しても特に問題はないだろう。倍率変更に比べて細かいクロック調整ができるBLCKは、消費電力を抑えたまま性能を引き上げたいというニーズにはピッタリの手法と言えるだろう。