エルミタ的「編集部で使ってみた」
2015.09.07 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いて「ATTO Disk Benchmark 2.4.7」を使い、シーケンシャルアクセスの最高性能をチェックしておこう。
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HDD単体 | 読み込み高速化モード |
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読み込み/書き込み高速化モード |
「読み込み」では読込約400MB/sec、「読み書き」では書込もSSDの公称最大値と同じ330MB/secまで上昇し、順当にパフォーマンスが向上。グラフもほぼ階段上にきれいに揃っており、安定性にも不安はない。
次に実際のアプリケーション性能を測定できる「PCMark 8:Storage」のスコアを確認していくことにしよう。
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PCMark 8:Storage |
「HDD単体」と「読み込み」を比較すると約1.5倍スコアが向上。テスト時間も30分以上短縮され、体感でもその違いをはっきりと認識できる。一方、「読み込み」と「書き込み」の違いは約2%とごくわずか。テストの完了時間も1分弱しか速くなっておらず、ほとんど誤差の範囲に収まっている。
最後に「BootRacer 4.9」を使い、Windows 7の起動時間について計測してみることにした。比較的誤差の大きいテストのため、計測は5回ずつ行い、最大と最小の結果を破棄した3回の平均をスコアとして採用している。
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Windows 7の起動時間(秒) |
今回の検証ではクリーンインストールしたHDDから起動しているため、「HDD単体」でも40.1秒と高速。にも関わらずキャッシュをONにすると20秒前半まで短縮され、その効果は大きい。長期間使用して、断片化が進んだドライブであれば、より顕著な差が出るだろう。また「読み込み」と「読み書き」の比較では、「PCMark 8:Storage」と同じくその差は誤差の範囲。実際の運用を考えると、リスクを抱えつつ敢えて「読み書き」を選択するメリットはそれほど大きくない。
チップセット標準機能の「Intel Smart Response Technology」をはじめ、SSDをHDDキャッシュとして利用する方法はこれまでも数多く登場している。しかし、基板にSSDを搭載してユーティリティをインストールするだけ、UEFIなど面倒な設定が一切不要な「OS活してSSD de 高速化」の手軽さは群を抜いている。また拡張カードとベイを一体化したことで、PCのストレージベイやSATAポートが埋まっている場合にも導入可能。加えて、内部の配線変更を最小限に抑えることができるのも大きなメリットだ。
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既存のHDD環境を手軽に高速化できる「OS活してSSD de 高速化」。低容量SSDや旧SSDの有効活用にも最適だ |
要求されるSSD容量はメモリの2~4倍と必要最小限。さらに低容量モデルや旧モデルが得意とする“読込性能”に最適化されていることから、使わなくなったSSDを再利用する手段としても非常に有望なアイテムだ。HDDを搭載したオールドPCの性能にイライラしているなら、「OS活してSSD de 高速化」の導入をぜひオススメしたい。必ずや快適なPC環境を手に入れることができるだろう。