エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.443
2015.10.03 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
冷却系パーツからスタートしたCooler Masterは、立て続けにヒット作が生まれたことで、近年PCケースが主力のメーカーというイメージが強い。発売当時としては珍しかったフルアルミ製PCケース「ATC-100」や、高エアフローPCケース「Centurion 5」、前面フルオープンベイの元祖「CM Stacker」、巨艦「COSMOS」、さらに爆発的ヒット作となった一連の「CM 690」シリーズなど、自作史に残る名作の数々は、いずれも自作派に大きなインパクトを残した。しかし近頃では新製品のリリーススパンがやや長くなり、これまでにない空白期間ができてしまった事実は、メーカーも認めざるを得ないだろう。
沈黙を続けたCooler Masterだが、企画から開発・設計、そして製品化にこぎ着けるまで実に多くの時間を費やし、妥協なきミドルタワーPCケースを完成させた。それが今回取り上げる「MasterCase 5」シリーズだ。
新作「MasterCase 5」シリーズは、「作る楽しさ」を味わえる次世代のミドルタワー型PCケースであり、自在にカスタマイズができる「FreeForm™モジュラーシステム」が製品最大のコンセプトとして掲げられている。それはなにか。
製品コンセプトが初めて明らかにされた「COMPUTEX TAIPEI 2015」のCooler Masterブース | |
今回は日本市場での発売を前にメディア向け発表会が行われ、開発に携わったCooler Masterスタッフが来日。「MasterCase 5」に対する意気込みはこれまでになく強い |
検証を進めるうちにその全貌は明らかになるワケだが、同時発売された豊富なオプションパーツ(アップグレードパーツ)と組み合わせ、好みのスタイルで内部設計が変更できるカスタマイズ性がこのPCケースの性格を決定付けている。「FreeForm™モジュラーシステム」はそれを実現するための基軸であり、今後発売が予定されているバリエーションモデルに受け継がれる事になるはずだ。初代「MasterCase 5」は単なる新製品ではなく、新たなラインナップのスタートを意味する「重要なポジション」が任されている。
「MasterCase 5」シリーズには、スタンダードモデルと上位モデルの2種類が用意される。
「MasterCase 5」(市場想定売価税抜20,000円前後)はベースモデルという位置付け。必要最低限の装備にする事で価格を抑え、ユーザーが必要なオプションパーツをチョイスし、好みのスタイルを作り上げていくというスタイルだ。今回の検証でもこのモデルをチョイスしている。
Cooler Master「MasterCase 5」(型番:MCX-0005-KKN00) 市場想定売価税抜20,000円前後(2015年9月18日発売) 製品情報(Cooler Master Technology Inc.) |
「MasterCase Pro 5」(市場想定売価税抜24,000円前後)は、ベースモデルにオプションパーツの一部を標準で装備させ、差別化を図った。外観ではトップカバーを備える他、アクリルサイドパネルを標準装備。内部構造は、シャドウベイが3台分多く、フロントに標準搭載される140mm口径ファンの数も1基多い。さらにトップ部にブラケットを装備することで、ラジエターが搭載できるようになっている。
Cooler Master「MasterCase Pro 5」(型番:MCY-005P-KWN00) 市場想定売価税抜24,000円前後(2015年9月18日発売) 製品情報(Cooler Master Technology Inc.) |
いずれも主素材はスチール(SECC)で、副素材にプラスチックを使用。カラーは外装がメタリックダークグレイで、内部はブラック。対応フォームファクタはATX、MicroATX、Mini-ITX。外形寸法はW235×D548×H512mm、重量はそれぞれ10.6kgと10.7kgとされる。