エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.444
2015.10.06 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
MSI「GTX 980Ti LIGHTNING」 実勢売価125,800円前後 製品情報(MSI) |
NVIDIAのハイエンドGPU GeForce GTX 980 Tiが発表されたのは、「COMPUTEX TAIPEI 2015」開催前に遡る3ヶ月前だ。TITAN XとGTX 980のパフォーマンスギャップを埋めるべく投入されたウルトラハイエンドの一角で、にわかに台頭した4Kゲーミングの旗手として市場での人気も高い。今回の主役である「GTX 980Ti LIGHTNING」は、数あるカスタマイズモデルもそろそろ出尽くしたであろう、そんな円熟期といえるタイミングに登場した。GeForce搭載モデルとしては「N780GTX Lightning」から約1年ぶり、MSIが誇るエンスージアスト向け「LIGHTNING」シリーズの最新モデルだ。そのコンセプトが究極パフォーマンスを目指す極限のオーバークロック性能にあることは、今では一般ユーザーにまで広く知られている。
GTX 980 Tiのデビューから遅れること3ヶ月以上。極限のOCパフォーマンスを誇る「LIGHTNING」シリーズ最新作のグラフィックスカードが登場した。これを待っていた、というエンスージアストも多かったはず |
最高峰のオーバークロック性能を実現するため、「GTX 980Ti LIGHTNING」には一般的には過剰ともとれる装備が与えられている。専用設計の10層基板と12+3フェーズの電源回路を採用するほか、米軍事調達規格「MIL-STD-810G」に準拠した堅牢な「ミリタリークラス 4」コンポーネントで構成。さらにリミッターを解除したOC向け専用BIOSを備えるほか、冷却機構には700Wの放熱が可能という3連装ファン搭載クーラー「TriFrozr」が採用されている。その巨大クーラーに飾られた、イエロー×ブラックのカラーリングは「LIGHTNING」シリーズのトレードマークだ。
巨大なオリジナルクーラー「TriFrozr」を搭載した、GTX 980Tiグラフィックスカード「GTX 980Ti LIGHTNING」。標準で最高峰のチューニングが施されるほか、極限OCに耐える信頼性を併せ持っている |
こうした堅牢設計と高性能クーラーといった装備を反映し、動作クロックは出荷時点からチューニング済み。コアベースクロック1,203MHz(リファレンス1,000MHz)、ブーストクロック1,304MHz(同1,075MHz)、メモリクロック7,096MHz(同7,010MHz)にカスタマイズされ、リファレンスを大幅に上回るパフォーマンスを発揮する。
そのほか、ビデオメモリはGDDR5 6GBを実装。バスインターフェイスはPCI-Express3.0(x16)で、出力インターフェイスはDual-Link DVI×1、HDMI×1、DisplayPort×3の5系統を備える。補助電源は8pin×2+6pinの3系統を搭載し、オーバークロック時に大電力を安定して供給可能だ。
グラフィックスカードとしては最大級の巨大なパッケージに収まる。「F-35 ライトニング II」をイメージしたデザインも迫力満点、何やら箱を眺めるだけでも“買ったぞ感”を得られる気がする | |
購入前にチェックしておきたい、「TriFrozr」などトピックを網羅したパッケージ背面。さらに内装まで凝った作りになっており、付属品はカードとは別の“引き出し”に収められている |