エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.451
2015.11.06 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次に外観からはなかなか想像しづらい「RVX01」の内部構造に迫る。52.1リットルを誇る内部容積には、どんな仕掛けが用意されているのだろうか。ポイント別にじっくり解説していこう。
右サイドパネルを外した状態の「RVX01」内部の様子。縦に半分から下の位置がプレートで覆われている様子が分かる |
「正圧状態」を作り上げることで、埃の侵入防止とスムーズな排気の流れを生み出す筐体内部。最適なエアフローを構築する重要な役割を果たしているのが、ボトム部に標準装備される3基の120mm口径「Air Penetrator(徹甲弾ファン)」だ。冷却したい部分へ風を当てる直進性に優れ、フレッシュな外気を一気に内部に送り込む。
スペックは回転数が1,200rpm±10%で、騒音値は19.7dBA。ちなみに単体発売されているカタログモデルとは違い、回転数と騒音値を抑えたPCケース仕様のモデルが採用されている。
ボトム面に3基並ぶ120mm口径「Air Penetrator(徹甲弾ファン)」。インペラ数は9枚で、1基あたりの騒音値は20dBAを下回る |
トップ部には120mm口径ファン増設用の搭載スペースが用意されている。拡張スロットと電源ユニット搭載部の間に位置し、必要であれば排気効率を高める事ができる。さらに重要な役割は、120mmサイズラジエターが搭載できる点。ボトム部(120mm口径×3)を利用してのラジエター搭載は物理的に可能とはいえ、水冷ユニットを導入する際に現実的なのは、このトップファン増設スペースという事になるだろう。
120mm口径ファンが1基増設できるトップ部。主な役割は120mmサイズラジエターの搭載になるだろう。単なる排気ファンの増設については、ボトム部3基の「Air Penetrator(徹甲弾ファン)」による強力なエアフローがある事から、大きく貢献する事は考えにくい |
実はもうひとつ、冷却ファンの増設スペースがある。それはフロントパネル部だ。「RAVEN」デザインのフロントパネル内部には、ほぼ中段部分に通気口があり、120mm口径ファン1基が増設できるようにネジ穴が空けられている。密閉状態に見えるフロントパネルには、わずかにスリットが設けられており、フロントファン増設時の”風の抜け穴”としてその役割が果たせる用意がある。実際の使い道として、正圧状態である以上、吸気の強化(補強)および120mmサイズラジエターの搭載になる。前者はあくまでも任意ながら、水冷ユニット構築はトップ部の増設スペースがふさがっている場合に限り、利便性を発揮する事になるだろう。
ひっそりと隠れるように用意された、フロント120mm口径ファン増設スペース |