エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.453
2015.11.19 更新
文:GDM編集部 Tawashi
ゲーム系ベンチマークの締めくくりとして、FPS系タイトルの定番「バトルフィールド4」をチョイス。「CAMPAIGN:BAKU」のスタートからセーフハウスに到達するまでの平均フレームレート「Fraps」を使い計測した。なお解像度は1,920×1,080ドットのフルHD、描画設定は“中品質”と“最高品質”を選択している。
バトルフィールド4(fps) |
“中品質”でのプレイは、全く問題なし。“最高品質”でもAverage FPSは50fps台をキープしており、フルHDを超える高解像度環境でも快適なゲームプレイが期待できそうだ。同じエレクトロニック・アーツから発売された最新作「スター・ウォーズ バトルフロント」のプレイも十分楽しむ事ができるだろう。
グラフィックスに「GeForce GTX 960」を搭載している「MAGNUS EN970」。ゲーム時のパフォーマンスでは優秀なスコアを記録したが、その際の熱処理も気になるところ。そこで、「3DMark」実行時と「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」ベンチマーク実行時のGPU温度を計測してみた。
GPU温度 検証室内温度26℃ / 湿度52% |
アイドル時の温度は、43℃~46℃の間で安定しているが、3DMark実行時で最大78℃。「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」のベンチマーク計測時には84℃を記録した。
それなりに上昇している印象だが、特筆すべきはGPU用冷却ファンの動作音。「HW Monitor 1.23」による計測では、最大で2,513rpmを計測していたが、30cmほど離れた場所においてテストをしていた間、ほとんど動作音が聞こえる事はなかった。
そこで「CINEBENCH R15」実行時のCPU温度も計測。CPU用冷却ファン回転数を計測してみる事にした。
回転数(rpm)検証室内温度26℃/湿度52% |
アイドル時の温度が47℃前後。「CINEBENCH R15」実行時は81℃まで上昇した。CPU用冷却ファンの回転数は2,295rpmとなったが、やはり動作音の変化は耳をすましてようやく感じるレベル。排気口から排出されるエアーも特別熱いわけではなく、システム全体で非常に効率のいい冷却が行われている事がわかる。
テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認していきたい。「CINEBENCH R15」と「3DMark」、「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」ベンチマーク計測時でそれぞれの最も高い値としている。
消費電力(W) |
TDP15Wの「Core i5-5200U」は、アイドル時が20W前後。「CINEBENCH R15」実行中でも最大35Wまでしか上昇せず、モバイル向けCPUらしい省電力性能を発揮。ただ「GeForce GTX 960」を使用する「3DMark」や「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」ベンチマーク実行時では100W前後を記録するなど、その影響が顕著に出ている。
ストレージデバイスとメモリ、OSを別途追加購入することを考えれば、「MAGNUS EN970」の市場想定売価税抜約12万円は、他のZBOXシリーズより高めの価格設定だ。しかし、自作のスキルを問わない手軽さはユーザーを選ばない。一方でこだわりの自作派にとっても、この手のコンパクトベアボーンとしては珍しい、RAID構築が可能なこだわりのストレージの拡張性は、まさに玄人好みだ。
さらに「MAGNUS EN970」のキモである「GeForce GTX 960」によるグラフィックス性能は、期待通りの実力を発揮。優秀な冷却機構のおかげで高負荷時の静音性も申し分なく、ゲーミング用途はもちろん、シックなブラックデザインと相まって、「HTPC」として違和感なくリビングに溶け込むだろう。
万人にオススメできるモデルではない。しかし、ミドルレンジクラスのデスクトップPCに匹敵するパフォーマンス。コンパクトな筐体ながらインパクトのある、まさに最強のベアボーンという印象だった。