エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.455
2015.11.21 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ここまでIn Win「805」の外回りおよび内部構造のすみずみをチェックしてきた。強化ガラスによるクールな外観と、剛性の高さを感じさせるアルミニウム製シャーシにより、他に類を見ない個性的なPCケースに仕上げられている。次に実際にPCパーツを搭載させ、組み込み作業中に気がついた事や、周辺空きスペースなど、製品情報サイトやマニュアルからは分からない点について解説していこう。
まずはマザーボードを搭載してみよう。テストに用意したのは、ATXフォームファクタ(305×244mm)の、ASRock「Z170 Extreme4」だ。「805」はドライブベイユニットの占有エリアが最小限に抑えられている。よってマザーボード搭載時に妨げになるものがなく、作業を容易に行う事ができる。組み込み易さはPCケースの善し悪しを判断する上で重要なポイントだが、その点「805」はなんら問題ない。
フロントパネル裏のフロントファンブラケットから、ASRock「Z170 Extreme4」までの空きスペースは実測で約150mm程度。これだけの余裕があれば、厚さ60mmの大型ラジエターと冷却ファンの組み合わせでも、問題なくマウントできる |
ミドルタワーPCケースとしては標準的な、幅205mmの「805」には高さ156mmまでのCPUクーラーが搭載できる。ハイエンドと称される大型サイドフローCPUクーラーで高さ160mmに迫る(または超す)モデルは少なくない。ゆえに140mm口径ファンを実装した、巨大なオーバークロック向けCPUクーラーをチョイスする場合は、この高さ制限には少々注意が必要だ。
CPUクーラーの有効スペースは高さ156mmで、決して十分とはいえない。搭載テストに使用しているのはNoctuaのトップフロー「NH-L9x65」で全高は65mm | |
こちらはサイズのサイドフロー「風魔」。デュアルファン搭載で全高は149mm。隣接するグラフィックスカードに埋もれるようにジャストフィット |
今、「魅せるPCパーツ」の筆頭にあげられるのは、間違いなく水冷パーツだ。水冷ユニットといえば、かつてオールインワンタイプの水冷ユニットが圧倒的シェアで流通していたが、近頃その事情も変わりつつある。設置方法や導入事例などの情報が徐々に増えたことにより、パーツ別にチョイスするDIY水冷がにわかに活気づいている。システムにあったチューブの配管を美しくまとめたり、発光色にカスタマイズされたクーラント液など、楽しみ方は実に多彩。PCケースメーカーも、それに見合ったコンセプトのモデルをこぞってラインナップに加え、DIY水冷の普及に注目が集まっている。外装に内部が透けて見える強化ガラスを採用するだけあって、「805」は最適なPCケースと言えるだろう。
「805」のラジエター搭載スペースはフロントとリアの2箇所だ |
一般的なPCケースのラジエター搭載スペースといえば、トップ部がメインエリア。しかし「805」の場合は密閉されている事から、フロントとリアの2箇所を利用する事になる。マニュアルによると、フロントには120 / 140 / 240 / 280mm計4サイズのラジエターが搭載できる。リアは120mmサイズのみで、主にオールインワンタイプの指定席といったところ。なおラジエターの厚さは、フロント部が60mmまで、リアは35mmまでとされている。
搭載テスト使用モデルは、240mmサイズラジエターのKoolance「HX-240HL」。厚さ約43mmに25mm厚の120mm口径ファン2基を実装。奥行き311mmのグラフィックスカードと無理なく共存できている |