エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.455
2015.11.21 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
最後のセッションでは、「805」を使った「MOD」の作例をご紹介しておこう。改造や装飾によりオリジナルPCを楽しむ「MOD」は、海外の自作市場では以前より盛んに行われている。近頃ではようやく国内市場でも認知された感があり、秋葉原でもイベントが行われるなど、新たな「自作PCの楽しみ方」として、今後さらに注目されるだろう。
フロントパネルおよび両サイドパネルに、内部が透けて見える強化ガラスを採用する「805」は、本格的な「MOD」のベースモデルとして、また入門機として最適なモデルだ。どうしてもボディの一部をカットしたり、穴を空けたりといった大掛かりな加工というイメージだが、「MOD」とは必ずしもそうではない。
たとえば豊富なパーツを個別に選定し、巧みに曲げられたチューブに冷却水を循環させる本格的水冷システムを導入するだけで、立派な「魅せるPC」ができあがる。「応用編」として冷却水やLED内蔵ファン、LEDストリップ等で装飾したり、マザーボードやグラフィックスカードのカラーの一部を統一させるといったコーディネートなら、特別なスキルは不要。腕に自信がない人でも十分に楽しむ事ができるだろう。作例などを参考にして、是非チャレンジして頂きたい。
In Winが作成した「805」ベースのDIY水冷PC。レッドの「805」をベースに、構成パーツや冷却水のカラーを合わせる事で、実にクールな「魅せるPC」が完成する | |
In Win「805」で検索すれば、既に数々の「MOD」作品を見つけることができる。これらを参考にしてオリジナルPCの製作にチャレンジしても面白い |
そもそも便利な道具であるPCは、多くの場合わざわざ自作をすることなく、市販のPCで事は足りてしまう。それでも僕たちが自作PCにこだわり続ける理由は、「自分だけのオリジナルPC」が作れるという点に尽きるだろう。豊富な汎用パーツを使ったアップグレードは、自作PCが最も得意とするところ。特定ゲームタイトルの要求するスペックを追いかけ、重いデータを扱うクリエイターは、より快適なPCを必要とするだろう。これからもハードウェアの強化を得意とする自作PCが手放せないはずだ。
一方でハードウェアのパフォーマンスに関わらず、誰でも楽しめるのが、新たなアプローチとして注目される、PCのドレスアップだ。「MOD」の世界をのぞくと、実に多彩な「オリジナルPC」が、極めて高い完成度で競い合うように作られており、自作PCの新しい楽しみ方として、大いに裾野を広げる事になった。
今回取り上げた「805」は、In Winが得意とするマテリアル「強化ガラス」を外装の3面に使い、筐体内部を常に「魅せる」事を主たるコンセプトとして設計されている。そのスタイルは完全に「MOD」のベースモデルを狙ったプロダクトデザインであり、発売以降、国内のみならず世界の自作PC市場で好調にセールスを伸ばしている。
思わずドレスアップがしたくなるPCケース In Win「805」は、しばらく自作PCから離れていた人からも、ちょっと気になる存在になるのではないだろうか。