「Versa H23」の内部構造

本体外装周りをひととおりチェックした後は、「Versa H23」の内部構造に迫っていく。外装パネル同様、内部もブラックに塗装され、重厚なイメージ。一方でエントリークラスのPCケースとあって、ミドルタワーでありながら、重量は4.2kgしかない。とはいえ、思いのほか華奢と感じることはなく、軽量であるがゆえに、移動や組み込み時は扱い易い。

イマドキのエントリークラスは、ひと昔前の廉価版PCケースとは異なり、ペラペラの鉄板でいかにも華奢という印象はない

ツールフリー機構を備えた5.25インチオープンベイ

まずはドライブベイレイアウトから解説しよう。5.25インチオープンベイは、全2段を装備する。フロントパネルには3枚のベゼルがあり、内部は3段分のドライブベイがあるように見える。実際にはフロントパネル側で上から2段、内部側で下から2段のドライブベイのみが使用できる。

バリエーションの共通筐体を使用するため、フロントフェイスのベゼルとシャーシ側ドライブベイの位置に差異が発生。よくあることなので、これは気にしない
5.25インチオープンベイのベゼルは、両サイドにあるツメで固定されているため、フロントから着脱可能。フロントパネルを外す煩わしさがない。なお「Versa H23」は2段分がブルーの縁取りベゼル。メッシュ仕様だけあって、すべてに防塵フィルタが装着されている。最下段のブラックベゼルは装飾パーツ
試しに光学ドライブを搭載してみる。左側面のロックはドライブのネジ穴に合わせてダイヤルを回すだけ。最も簡易的なツールフリー機構だが、思いのほかガッチリと固定できる

ケージスタイルの2.5 / 3.5インチシャドウベイ

5.25インチベイユニットの下部には、ケージスタイルのシャドウベイが用意されている。下段は3.5インチサイズのシャドウベイで、全3段構えのプラスチック製専用トレイには、3.5インチHDDまたは2.5インチSSDが搭載できるようになっている。さらに上段には専用トレイを3段備えた、2.5インチ専用のシャドウベイを用意。2.5インチSSD×3台、3.5インチHDD×3台、または2.5インチSSD×6台など、用途に合わせて自由にストレージが構成できる。

シャドウベイ上下に段差がつけられているのは、グラフィックスカードの有効スペースを稼ぐため。側面には円形の穴が空けられ、フロント吸気ファンの”風の通路”が確保されている
上段は2.5インチ専用シャドウベイ	下段は2.5 / 3.5インチ共用シャドウベイ
2.5インチ専用トレイは、SSD底面4つのネジ穴を使い固定	3.5インチHDDは、側面のピンで固定するツールフリー仕様。ただし2.5インチSSDを搭載する場合は、底面4つのネジ穴を利用する
「Versa H23」はエントリークラスとはいえ、ストレージ収納力は決してミドルレンジに負けてはいない