エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.456
2015.11.25 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
PCケース選びのポイントとなる、エアフローレイアウト。エントリークラスのミドルタワーPCケースでは、どのようなケースファンレイアウトにより、内部エアフローが確保されているのだろうか。ここからはポイント別に解説していこう。
「Versa H23」の基本エアフローレイアウト。エントリークラスという理由だけでなく、比較的コンパクトなボディサイズだけに搭載できる冷却ファンの個数および口径は制限される |
メッシュ仕様のフロントパネルを外すと、内部中央から下段のエリアには防塵フィルタを装備。これを外すと、標準で120mm口径ファン1基がマウントされていた。さらにもう1基の120mm口径ファン増設にも対応し、最大2基でフレッシュな外気を筐体内部に取り入れる事ができる。なお吸気ポイントの裏手にはシャドウベイがあり、ストレージの冷却にも重要な役割を果たしている。
メッシュ仕様のフロントパネル下部には、外気を取り入れる吸気ファン搭載スペースが隠されている | |
防塵フィルタは、最大で2基の120mm口径ファンがマウントできるアダプタの役割を兼ねている。なお標準で搭載される冷却ファンは「TT-1225」(DC12V / 0.30A)という型番のモデルだった |
もうひとつの標準搭載ファンは、リア排気用にマウントされている。筐体内部の熱ごもりを解消すべく、120mm口径(25mm厚)の「Turbo fan」は、回転数1,000rpmにより排気を任されている。なお騒音値は16dBAで、静音性も確保されている。
標準装備される背面排気120mm口径ファン。「Turbo fan」と名付けられた”静音”モデルで、標準的な9枚インペラを備えた3pinコネクタファンだ |
トップパネルには、ハニカム状の通気口が装備されている。一般的なPCケースにはよくある”風景”だが、少々事情が異なるのが、「Versa H23」では単なる通気口であるということ。
上昇する内部の熱を排出する手段として有効であるトップ面の通気口には、通常冷却ファンが搭載できるように設計されている。イマドキの設計なら、ラジエターの搭載スペースとしても活用されている事はご存じの通りだ。しかし「Versa H23」はやや小ぶりなミドルタワーPCケースだけに、そもそも冷却ファンの増設は考えられていない。
一見して、120mm口径ファンが2基並んで搭載できそうな、トップ部の通気口。実際に120mm口径よりも小さなサイズで、ネジ穴すら用意されていない。とはいえ開口面積は広く最大限、通気性は確保されている |