エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.457
2015.11.28 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
そして最後は、実際に「H110M Combo-G」を動作させての実動テストで締めくくろう。テストにあたっては、CPUにSkylake世代で最もリーズナブルなPentium G4400(2コア / 2スレッド / 3.3GHz / キャッシュ3MB)を用意。7,000円台から買える格安CPUとあって、DDR3メモリと一緒にコストを抑えたマシンを組むにはピッタリなモデルだ。
また、メモリにはDDR4 2,133MHz動作の16GBキットUMAX「DCDDR4-2133-16GB HS」と、DDR3 1,600MHz動作の16GBキットADATA「AD3U1600W8G11-2」をマスタードシード株式会社より借り受けて使用している。その他のテスト環境については下記を参照のこと。
それでは本項では、DDR4メモリとDDR3メモリを装着した状態のパフォーマンスを「CINEBENCH R15」でテスト。メモリ環境の違いがどれほどの性能差となって現れるのか、チェックしてみよう。
CINEBENCH R15 |
シングルコア時に3%ほどだったスコア差は、マルチコアでの計測時に5%前後に拡大。2コアCPUの「Pentium G4400」を搭載したエントリーマシンにおいても、DDR4メモリ環境の方がより高いパフォーマンスを引き出している。コア数の多い上位CPUではさらにパフォーマンス差が開くことが予想されるため、その場合は素直にDDR4メモリと組み合わせるのがスマートだろう。ただしコア数の少ないエントリーCPUの場合、“つなぎ”としてDDR3メモリを使用するのも十分アリと言える結果となった。
DDR4メモリに対応したSkylakeを搭載するのに、DDR3メモリではせっかくのパフォーマンスを無駄にしているのではないか。そんな風に考えながら検証を始めたものの、案外にDDR3メモリとの組み合わせは悪くなく、決して“禁じ手”ではないことが分かった。そもそもCPUやマザーボードと一緒にメモリまで丸ごと換装となれば、ある程度の計画性なしにはキツイ負担と言える。店頭では「メモリ相場が高止まりしていた時期にDDR3メモリを買ってしまった」という声もあり、手持ちのメモリを大事に使いたいというニーズも少なからず存在している。そこにメーカー各社はうまく目をつけたというワケだ。
CPUやマザーだけでなく、メモリまで替えるのは厳しい。そんな時は、手持ちのメモリを使いまわしつつ将来のアップグレードも担保する、コンボマザーの「H110M Combo-G」を使ってみよう |
しかし実際にDDR3環境ではSkylakeのフルパフォーマンスを発揮できないことから、DDR3メモリオンリーのマザーボードでは、所詮“つなぎ”に過ぎない。そうしたモヤモヤを、ASRockは“変態”仕様ともいえるコンボマザーボードで応えてくれた。ひとまずエントリーCPUと手持ちのDDR3メモリでやり過ごしつつ、いずれはSkylake+DDR4環境へのアップグレードが可能。充実した搭載機能や信頼性の高さも相まって、長く使い回せる要素が揃っている。旧世代のマシンが不調でSkylakeへの移行を迫られている・・・なんていう場合は、お手軽に始められる選択肢があることを覚えておこう。