エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.463
2015.12.22 更新
文:GDM編集部 池西 樹
GIGABYTEのチューニングユーティリティ「Easy Tune」を使えば初心者でも安全かつ簡単にPCのパフォーマンスを引き上げることができる |
チップセットにIntel Z170を搭載する「GA-Z170M-D3H」では、前述の通り“Kシリーズ”のCPUを組み合わせれば倍率変更によるオーバークロックが可能となる。さらにGIGABYTEのチューニングユーティリティ「Easy Tune」には簡易プリセットが用意されており、初心者でもWindows上から簡単にオーバークロックを行うことができる。
「ECO」駆動時の「CPU-Z 1.74.0」の結果。高負荷時のコア電圧は1.152Vから1.020Vに低下。消費電力削減効果が期待できる | |
「OC」駆動時の「CPU-Z 1.74.0」の結果。高負荷時の動作クロックは3.60GHzから4.10GHzに向上している |
プリセットによる簡易オーバークロック動作を確認したところで、パフォーマンスへの影響を「CINEBENCH R15」にて検証していこう。
CINEBENCH R15(cb) |
TurboBoost機能で、定格でも3.90GHzまで動作クロックが引き上げられるシングルコアテストは、約6%とオーバークロックの効果は低め。ただしマルチコア時は約12%まで差が広がっており、エンコードやレンダリング、最新ゲームなどマルチスレッドに最適化されたアプリケーションでの効果は大きい。また定格と「ECO」の比較ではスコアに有意な差は見られず、パフォーマンスへの影響はないようだ。
続いてプリセットの違いによる消費電力への影響について確認しておこう。計測にあたっては「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
消費電力(W) |
動作クロック・コア電圧とも同等レベルまで引き下げられるアイドル時はいずれも横並び。高負荷時は「OC」で約30W消費電力が増加しているが、それでも100Wを若干上回る程度に抑えられており、CPUの冷却さえシッカリとしてやれば特に問題のないレベル。また「ECO」では定格から約10W消費電力が低下し、60W前半の素晴らしい結果。100WクラスのACアダプタを用意してやれば、安定動作させることができるだろう。
高性能・多機能化が進み、コンパクトPC向けプラットフォームとして、すっかり定着した感のあるMini-ITXマザーボード。一方、これまでの主流であったMicroATXモデルはラインナップも減り、今や低価格PC向けのエントリーマザーボードという印象が強くなっている。しかし、今回検証した「GA-Z170M-D3H」では、M.2(32Gbps)スロットやSATA Express(16Gbps)などの最新インターフェイスを網羅。AMD CrossFire Xによるマルチグラフィックスにも対応しており、ゲーミングPCのコアとしても十分な実力を備えている。
奥行を抑えた小型基板に最新機能を詰め込んだ「GA-Z170M-D3H」。特にケーブルレスでストレージを搭載できるM.2スロットはハイパフォーマンス向けだけでなく、コンパクトPCにも有効だ |
またこれだけ多機能ながら奥行が短い点も大きなポイント。パフォーマンスを落とすことなく消費電力を低減できる「ECO」モードを組み合わせてやれば、スリムタイプのようなコンパクトケースを使いつつ、高性能なPCを無理なく構築することができる。それでいてIntel Z170マザーボードの中では最廉価帯に位置づけられる「GA-Z170M-D3H」は、Skylakeプラットフォームにおける有望な選択肢となるだろう。