懐かしのPCパーツ図鑑番外編
2016.01.03 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
冷却機器発祥のPCパーツメーカーCooler Master(本社:台湾)は、総アルミ製PCケース「ATC-100」シリーズを皮切りに、そのラインナップを増やし、「Centurion 5」や「CM Stacker」「COSMOS」「CM 690」など、名だたる名機を市場に投入した。そんな同社が、新たなカテゴリとして注力していたのが、ドライブベイアクセサリだった。
静音ブームにも乗り、自作PC市場では冷却ファンの回転数を任意で調整できる、ファンコントローラーが続々登場。空きベイを利用し、実用とドレスアップのいずれをも満たすアイテムが、豊富に店頭に並んだ。Cooler MasterもPCケースに関連するパーツとしてコレに着目。アナログメーターを3つ並べた”三銃士”、「Musketeer」をデビューさせたのは、2003年7月だった。
Cooler Master「Musketeer」(型番:LLC-U02) 2003年7月発売(発売当時の価格5,000円前後) |
飛ぶように売れた「Musketeer」だが、筆者はブラックとシルバーの2色共に所有していた。当時使用していたPCケースの型番は失念してしまったが、これまでにない高級オーディオ機器さながらのアナログメーターを、いたく気に入っていた事だけは鮮明に記憶している。
アナログメーターは、左からファンコントローラーの「電圧」、中央が「音圧」、右が「温度」をそれぞれ表示。PCの電源と連動し、ブルーに発光するバックライトが内蔵されている。
ラインナップはPCケースに合わせ、シルバーとブラックの2色を用意。ブラックモデルは遅れてリリースされている。ちなみに発売当時、自作PC市場ではシルバーのPCケースが多く、ブラックモデルは1,000円高などでリリースされる事も珍しくなかった |
象徴的なアナログメーターの見た目こそ”完璧”ながら、ひとつだけ不満があった。それはオーディオ機器にあるように、針が左右に振れるアクションがまったくない点。左右のメーターは、調整しない限り電圧は固定され、温度もほぼ一定。ちょっと期待してしまう中央でさえ、サウンドのレベルをモニタする目的ではなく、あくまで音圧レベルであるため、針が固定されてしまう。おそらく筆者だけでなく、想像とは違う動きのなさに、拍子抜けした人は多いはずだ。
スマートに作られた「Musketeer」は、基板が露出する事無く、スチール製BOXのような出で立ち。背面には付属品を接続するコネクタ類が並んでいる |