エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.467
2016.01.07 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
ベンチマークのラストは消費電力を確認していこう。OS起動後10分間なにも操作しなかった状態をアイドル時、高負荷時はベンチマークおよびゲーム中の最高値をワットチェッカー「Watts up? PRO」を使って計測した。
消費電力(W) |
Radeon R7 360EのTDPは75WでGeForce GTX 750 Tiより20W高く設定されているものの、実際の消費電力は最大で24.5Wほど低い結果。パフォーマンスでは差をつけられた「RD-R7-360E-E2GB-JP」だが、消費電力の結果を考慮すると健闘している。
ここまではゲーミングパフォーマンスを中心に検証してきたが、Radeonならではの機能も忘れてはいけない。とくにPCでアニメのBlu-ray Discを楽しむ人にオススメしたい映像補完技術「Fluid Motion」をサポートしているのは、大きなポイントだ。
Radeon R7 360Eでは、映像補完技術「Fluid Motion」に対応 | |
「Fluid Motion」を利用する場合には「Power DVD」が必要。Blu-rayを再生した状態で「Power DVD」の設定を開き、「AMD(TM)Fluid Motion(ブルーレイ ムービー向け)を有効にする」にチェックを入れるとフレーム補間された滑らか映像を楽しむことができる |
Intel CPUで「Fluid Motion」を利用する場合、現行モデルではRadeon R7 360以降のグラフィックスカードが必須で、これまでなら最低でも15,000円前後の投資が必要だった。それが「RD-R7-360E-E2GB-JP」なら1万円台前半で実現できるのは嬉しい。
「ファイナルファンタジーXIV」や「World of Warships」などのライト~ミドル級ゲームを遊べるパフォーマンスを発揮し、省電力化が計られている「RD-R7-360E-E2GB-JP」。ゲーミング性能のみで比べると、どうしてもNVIDIAのGeForce GTX 750 Tiを搭載したグラフィックスカードに軍配は上がるが、パフォーマンスと消費電力のバランスは悪くないと言えるだろう。
国内限定GPUのRadeon R7 360Eを搭載した玄人志向「RD-R7-360E-E2GB-JP」。カジュアルゲームもBlu-rayアニメも楽しみたい人にオススメの1枚 |
さらに「Blu-rayアニメを滑らかな映像で楽しみたい」という人にもオススメだ。「Fluid Motion」を適用したBlu-rayアニメの視聴に必要な「Power DVD 15 Ultra」(Power DVD 14以降で対応)を合わせると2万円程度の投資が必要だが、滑らかに動く映像は、なかなか感動モノ。コストを抑えつつ「Fluid Motion」でBlu-rayアニメを楽しみたいという人にとっては要注目のグラフィックスカードだ。