エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.469
2016.01.20 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ここからは「F31」の内部構造に迫っていく。外装周りをチェックした時点では、とても売価税抜1万円前半のPCケースとは思えないクオリティの高さが印象深い。近頃のThermaltakeは、独自ギミックもさることながら、ひと頃に比べると工作精度が格段に向上している。この調子で内部構造にも手抜かりが無ければ言うことナシだ。
外装周りは価格帯以上の実にレベルの高い仕上がりだった「F31」。さて内部構造はいかばかりか |
近頃では光学ドライブ1台が搭載できれば事が足り、ますます需要が薄れつつある5.25インチオープンベイは全2段を用意。いずれもツールフリー機構を装備し、光学ドライブはワンタッチで着脱ができる。さらにトレイタイプのユニットは、1ベイにつきフロントパネル側、片側2本のネジで固定され、不要であれば取り外してしまえばいい。
5.25インチオープンベイは、シャドウベイとしても利用できる。2段に分かれたトレイは、底面にネジ穴を用意。それぞれ3.5インチHDDを1台、または2.5インチSSDを2台搭載が可能。ストレージの収納スペースが拡張できる仕掛けだ。
5.25インチオープンベイのトレイは、シャドウベイとして使用できる。なおドライブの搭載は底面のネジ穴を利用。固定には5.25インチオープンベイユニットを一旦取り外す必要がある | |
2.5インチSSDなら2台を並べて搭載可能。上下2段をフルに使えば、4台のSSDが搭載できる |
標準でフロント裏底面に設置されているケージは、2.5 / 3.5インチ共用のシャドウベイだ。ここには最大3台のドライブが搭載可能。ABS樹脂製の専用トレイを引き出し、3.5インチHDDなら両側面のピンに引っ掛けるだけのツールフリーマウント、2.5インチSSDなら底面4個のネジで固定する。
なおケージ自体は背面2個のネジで固定されており、シャーシ底面の台座の溝にスライドマウント。着脱も容易で、固定位置を上段に移動したり、フロント部のラジエター搭載時および、底面冷却ファン増設時には取り外す事ができる。フルモジュラー設計の「F31」は、構成に合わせ、自在にレイアウトが変更できる点が強みだ。
ストレージのメインエリアとなるシャドウベイには、最大3台のドライブが固定可能。背面固定のネジを外せば、着脱や設置場所の移動、および撤去が自由に行うことができる | |
ドライブの固定方法は、多くのPCケースが採用するスタイル同様。3.5インチHDDは左右のピンに引っ掛けるツールフリー、2.5インチSSDは底面4個のネジ固定 |
ケージスタイルの2.5 / 3.5インチ共用シャドウベイは、フロント部へのラジエター設置、または底面に冷却ファンを増設する場合には撤去しなければならない。限られたスペースだけに、どうしてもトレードオフが付きまとうが、メインのストレージ収納スペースだけに、その代償はあまりにも大きい。そこで、これを解消してくれるのが、マザーボードトレイ背面に用意された、専用トレイのロック機構だ。
専用トレイを流用し、マザーボードトレイ背面の独立した3箇所にそれぞれワンタッチでロック。縦置きスタイルで最大3台のドライブが搭載できる仕掛けだ。
右側面、フロントに沿うように上下に各1台、拡張スロットの真裏に当たる部分に1台の専用トレイをそれぞれ「移植」。ケージタイプのシャドウベイ1台分も無駄にせず利用できる | |
ある程度柔軟なABS樹脂素材を生かし、マザーボードトレイ背面に予め用意された左右各2個と上部1個のフックに引っ掛けるだけでトレイをガッチリ固定。ストレージのコネクタ部にはスルーホールが用意され、ケーブルマネジメント対策も万全 |