エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.471
2016.01.29 更新
文:GDM編集部 池西 樹
「GA-970-Gaming」に付属する「App Center」の「EasyTune」には、オーバークロック用の簡易プリセットが用意されているため、初心者でも比較的簡単にCPUパフォーマンスを引き上げることができる。そこで今回は用意されている3つのプリセットによるオーバークロックに挑戦してみることにした。
FX-8350用のプリセットは「Light:4.30GHz」「Medium:4.40GHz」「Extreme:4.50GHz」の3種 | |
「Light:4.30GHz」設定時の「CPU-Z 1.74.0」の結果 | 「Medium:4.40GHz」設定時の「CPU-Z 1.74.0」の結果 |
「Extreme:4.50GHz」設定時の「CPU-Z 1.74.0」の結果 |
定格状態でも4.20GHzまで動作クロックが上昇するFX-8350にとっては、比較的ライトなチューニングということで、すべてのプリセットでOSの起動、ベンチマーク動作とも問題なし。また「CPU-Z 1.74.0」の結果を見る限りコア電圧も大幅に盛られておらず、冷却面への負担もそれほど大きくなさそうだ。
「EasyTune」による簡易オーバークロック機能を確認したところで、パフォーマンスへの影響を「CINEBENCH R15」を使いチェックしておこう。
CINEBENCH R15(cb) |
コアクロックが上昇するに従って綺麗にスコアも伸び、4.50GHz駆動では約10%パフォーマンスが向上している。オーバークロックはコアの耐性によるところが大きいため、すべてのCPUで成功するわけではないが、「EasyTune」によるチューニングはとても簡単。もうひと伸び性能が欲しい場合には積極的に試してみるといいだろう。
検証のラストはオーバークロックによって、消費電力がどの程度増加するのか確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「CINEBENCH R15」実行中で、最も高い値とした。
消費電力(W) |
アイドル時は省電力機構Cool’n’ Quiet Technologyにより、コア電圧、クロックとも同等レベルまで抑えられるためいずれも68W前後で横並び。高負荷時でもほとんど電圧に変化がないため、4.50GHzでも7.8W増とその差はわずか。消費電力や冷却面での強化を考える必要はないだろう。
コンシューマ向けとしては異例とも言える長期政権となったSocket AM3+プラットフォーム。この間チップセットにも大きな変更はなく、近頃登場する新製品はマイナーチェンジモデルが中心。新規にPCを構築するならまだしも、既存環境のアップグレードが目的のユーザーにとっては、あまり魅力的な存在ではなかった。
多機能ながら実勢価格13,000円前後というコストパフォーマンスが光る1枚。既存Socket AM3+環境をアップグレードしたいなら最適な1枚となるだろう |
一方、今回検証した「GA-970-Gaming」は、「G1 Gaming」シリーズ初のSocket AM3+マザーボードとして新設計の基板を採用。M.2スロットやUSB3.1ポートなどの最新インターフェイスに加え、「Ultra Durable PCIeメタルシールド」「高音質オーディオ回路」「Killer NIC」といった、イマドキのゲーミングPCに求められる機能をすべて網羅。さらに統合ソフトウェア「App Center」にも標準対応するなど、ハードウェアだけでなくソフトウェア面でも大きく改良されている。
それでいて価格は13,000円前後とリーズナブル。2016年に登場が予定されているAMDの新CPU「Zen」までのつなぎに、既存環境のアップグレードを検討しているなら、間違いなくオススメできる1枚だ。