エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.475
2016.02.19 更新
文:GDM編集部 Tawashi
次に内部構造の詳細を解説しよう。まずは最大のトピックとなる、Core i7-6700KとGeForce GTX 980 Tiに搭載されるデュアル水冷システムだ。
サイドパネルを外し内部を確認。デュアル水冷システムは見た目も迫力十分。ラジエターはCPUがフロント、GPUがトップ部にマウントされる |
CPUの冷却を担当するオリジナル水冷ユニット、Asetek「550LC」+ENERMAX「UCTB12P」は、歴代数多くのモデルに採用実績があり、サイコムでは鉄板の組み合わせ。ポンプ一体型ウォーターブロックには、熱伝導率に優れた銅製コールドプレートを採用し、受熱能力をアップ。ラジエターにはENERMAXの120mm口径PWMファン「UCTB12P」を採用し、500~1,500rpmのワイドレンジ設定による騒音値18dBA以下の静音性が特徴だ。
なお、標準構成で搭載されるCPUは「Core i5-6400」。カスタマイズにより、TDP35Wの「Core i5-6400T」から、今回の検証機と同じ最上位「Core i7-6700K」まで、計7モデルから選択できる。
CPU用のオールインワン水冷クーラーAsetek「550LC」+ENERMAX「UCTB12P」。ポンプ一体型ウォーターブロックのカバーには、サイコムオリジナルをアピールするロゴがあしらわれている。なお、水冷ユニット自体をCORSAIR「H60」(型番:CW-9060007-WW)に変更することも可能 |
グラフィックスカードの冷却を担うのは、こちらもオリジナルとなるAsetek「740GN」+ENERMAX「UCTB12」。サイコムBTOを代表する水冷カスタム仕様の「GeForce GTX 980 Ti」は、自作派から「単体発売待望」の声も少なくない人気モデルだ。ちなみに、この貴重なオリジナル水冷仕様の「GeForce GTX 980 Ti」については、「禁断のカスタム現場に潜入。サイコムの水冷化「GeForce GTX 980 Ti」ができるまで」に詳しいので是非参照していただきたい。
なお標準構成のグラフィックスカードは「GeForce GTX 970」。カスタマイズにより「GeForce GTX 980」「GeForce GTX 980 Ti」「GeForce GTX TITAN」も選択が可能。いずれもオリジナル水冷仕様だ。
グラフィックスカードを冷却するAsetek「740GN」+ENERMAX「UCTB12」。高負荷時でも静音性と冷却性を高いレベルで実現する |
ところで、サイコムの開発担当者が最も苦労した点として、「ラジエターのポジション」を挙げている。中でも特にこだわったのが、グラフィックスカード用ラジエターのマウント位置だ。
製品版とは異なり、トップパネル側にラジエターを装着すると、搭載面のパネル全体に熱が伝ってしまうため、システムの温度が約3℃ほど上昇してしまう。そこでラジエターと冷却ファンの位置や組み合わせを変えて検証。結果、トップパネルとの間に冷却ファンを搭載し、これを吸気にする事で、最も効果的に冷却できる事が分かったという。
開発担当者曰く、一番のキモだったと語るラジエターの配置。ちなみに、テストでは240mmサイズのラジエターも検証したが、思ったほどの効果は得られなかったという |