エルミタ的一点突破 Vol.39
2016.02.26 更新
文:GDM編集部 池西 樹
定格クロック:騒音値(暗騒音32.1dBA) |
回転数が1,000rpm前後のアイドル時でも約40dBAを計測し、ノイズはやや大きい。ただし「H5 SF」のブロアーファンの騒音は低音域が中心のため、聞こえ方には個人差があるものの、数値の割には耳障りな印象を受けなかったことを付け加えておく。また高負荷時の結果を確認すると定格では41.7dBAまでしか上がらずアイドル時との違いはほとんどなし。一方、4.40GHzでは46.8dBAまで上昇し、常時運用にはやや厳しい。冷却性能もほぼ限界に達していることを考えると、ここは定格運用で留めるべきだろう。
冷却ファンとラジエターを一体化し、マザーボード直上にスタック配置するという、これまでにない実装方法を導入したCORSAIR「H5 SF」。検証では、TDP91WのハイエンドCPUの発熱を完全に抑えこむなど、上位クラスの冷却性能を備えている。さらに暖気を直接外部に排出するスタイルは、PCケース内部に熱が留まることがなく、コンパクトPCでは大きなメリットとなるだろう。
Mini-ITXフォームファクタの良さをスポイルすることなく十分な冷却性能を実現したCORSAIR「H5 SF」 |
ブロアーファンだけに懸念された動作音だが、定格運用であれば十分許容できる範囲。またグラフィックスカードとの干渉もなく、メモリも40mmまで対応するなど、拡張性も確保されている。ただし、マザーボード直上に排気口が必要となるためPCケースを選ぶ点が最大のネック。この条件さえクリアできれば、Mini-ITXマザーボード向け”ハイスペックPC構築用”として十分オススメできる製品だ。