エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.477
2016.03.05 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
電源ユニット搭載テストには、こちらも検証済みの「RM1000x」(型番:CP-9020094-JP)を用意した。CORSAIR「RMx」シリーズの最大容量1,100Wモデルで、奥行きは180mmある。
搭載面のボトムパネル部には、2.5 / 3.5インチ共用シャドウベイユニットがあり、スペースを分け合う関係にある。その内電源ユニットに割り当てられているのは200mmだ。
最後にストレージを搭載してみよう。おさらいすると「400Q」は3.5インチHDDと2.5インチSSDの共用シャドウベイが2台分、2.5インチSSD専用シャドウベイが3台分用意されている。仮にオールSSD構成なら5台が搭載できる事になる。
今回取り上げた「Carbide Series Quiet 400Q」は、2012年に発売された「Obsidian Series 550D」(型番CC-9011015-WW)の後継モデルに該当するそうだ。シリーズ名はおろか、外観デザインも相違点だらけだが、CORSAIRの静音コンセプトミドルタワーとしての共通点があり、セールス的に成功したモデルの後を任された、期待のかかる新製品という事になる。
高密度遮音素材による二層構造は、「400Q」の静音性を向上する重要な役割を果たしてくれる。ぜひ実機により体験してほしい |
「550D」実機の印象はだいぶ薄れてしまったが、現代版静音PCケース「400Q」はずいぶんと”軽快になった”印象をもった。これはコストダウンを意味する「軽量化」でもなければ、「軽薄」といった意味では無く、「無駄を省いて洗練された」という表現が当てはまる。エアフローを向上させる事を目的とした「Direct Airflow Path」は、ストレージエリアを下段および背面に移動。風の流れの妨げになるものを排除する事で、広い空間を確保した。窮屈な思いを強いられた構成パーツ達の居住性は、随分と向上しただろう。
肝心な静音性については、実際に検証機を動作させたところ、駆動音はそれなりに抑え込まれている。特にトップパネルの「サイレントカバー」の有無では、聞こえ方の印象が変わる。常に高負荷を掛けない使い方ならば、標準搭載される2基の冷却ファンだけで十分に賄えるし、その分だけ騒音値も低くなり、労せず静音PCが構築できるはずだ。
データ用に外付けHDDやNASを導入したり、オンラインストレージを活用するなど、自作PCにまつわる環境も様変わりしている。それらは内部設計に少なからず影響を与えているのも事実だ。気が付けば5.25インチオープンベイの省略に、さほど不便を感じなくなった。今後もPCケースのトレンドが変わる可能性があるだろう。そんな時代に生まれた「400Q」は、まさにイマドキ仕様に仕上げられている。