エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.477
2016.03.05 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「400Q」の外装周りを一通りチェックした後は、いよいよ内部構造に迫っていこう。これまでロングセラーモデルを複数輩出しているCORSAIRだけに、市場からの注目も高く、期待も大きい。新作「400Q」の善し悪しを決定付ける内部設計には、どんな仕掛けが用意されているのだろうか。
代理店担当者曰く「最近のCORSAIR製品の中では高く期待できる」と言わしめる、その出来映えをじっくりチェックしてみよう |
製品コンセプトの中心にある「静音志向」と相反するのが、冷却能力≓エアフローレイアウトだ。静音性を保つには、駆動系パーツの搭載数を極力最小限に抑える事が、最も効果的で手っ取り早い。一方で、ハイエンドな構成パーツをチョイスすれば、それに見合った冷却能力を確保しなければならない。この相反する関係を、「400Q」ではどのように折り合いを付けているのだろうか。
標準状態でのエアフローレイアウト。フロントパネル裏エリアにシャドウベイが無いため、フロントから取り込んだ外気を遮るものなく、背面へストレートに排出できる理想的な風の流れを作り上げる事ができる |
フロントパネル裏面には、標準で140mm口径ファンが1基搭載されている。これには新鮮な外気をPCケース内部に送り込む、重要な役割が任されているワケだが、正面から見たフロントパネルは、完全な密閉状態だ。しかし両サイドを確認すると、長方形にカットされた通気孔が上下にわたり設けられている。吸気には十分すぎるほどの”外気取入口”により、いわゆる「窒息系PCケース」ではない事が分かる。
なおフロントパネル裏面には、140mm口径ファンが最大2基搭載可能。さらに120mm口径ファンなら3基が搭載できるため、ラジエターは最大で360mmサイズに対応する事になる。
標準で140mm口径ファン1基が搭載されるフロントパネル裏。側面の通気孔に沿って、最大140mm×2基または120mm×3基が増設できる。なお標準搭載ファンの型番は「A1425L12S-2」で、DC12V 0.30Aだった | |
「窒息系PCケース」とは言わせない、側面の通気孔。フロントパネルの上下にわたり外気の取り入れ口が設けられている |
トップ部に目を移すと、マグネット固定の「サイレントカバー」を取り外す事で、ほぼ全面にわたる通気孔が姿を現す。一転高冷却志向に性格を変える「400Q」だが、このスペースには、140mm口径または120mm口径ファンが最大2基搭載できるようになっている。つまりラジエターは最大240mmサイズが搭載できるというワケだ。
ほぼ全面にわたりメッシュ仕様ながら、ハニカム構造により強度は確保されているトップ面。なお冷却ファン増設用のネジ穴はスリットタイプで、前後ポジションを移動させる事ができる |
リア部には、120mm口径ファンが1基標準で装備されている。筐体内部の熱を外部に吐き出す排気ファンは、いわゆる”CORSAIRカラー”のブラックフレームに薄いグレーのインペラで構成。羽枚数は7枚で、コネクタ形状は3pinタイプが採用されている。実際に動作させてみたところ、緩やかに回転する静音タイプながら、アールの利いた羽形状から、十分な風量が得られている。
ちなみにフロント標準ファン同様、回転数や騒音値といったスペックは開示されていない。なお型番は「A1225L12S-2」で、DC12V / 0.30Aだった |