エルミタ的「編集部で使ってみた」
2016.04.13 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
Tesoro「Harpe TL Illuminated Mechanical Keyboard with Trackball」 製品情報(Tesoro Technology) |
そもそもTesoroとは、去る2011年に北米で設立されたゲーミングデバイスブランドだ。まだ新興といっていいブランドながら、積極的に新製品をリリースすることでも知られおり、現在はキーボードやマウス、マウスパッドにヘッドセットと、複数カテゴリのデバイス製造を手がけている。特にキーボードのラインナップが豊富で、正統派なゲーミングキーボードだけに飽き足らず、テンキーが左右に装着できる「Tizona」シリーズのような、一風変わったモデルも世に送り出してきた。
2014年にリリースされた「Tizona」は、オプションのテンキー「Tizona Numpad」を左右どちらにも装着できるというモデル。最近では珍しい仕様だが、Tesoroはこうした変わり種といえる製品も手がけている |
その同社から先ごろ登場したのが、今回の主役である「Harpe TL Illuminated Mechanical Keyboard with Trackball」(以下「Harpe TL」)だ。その名の通りトラックボールを右端に据え付けた製品で、しかも単なる付け合せではない、大玉サイズのボールが埋め込まれている。実にキーボード全体の4分の1ほどをトラックボールが占めるという特異な仕様から、2月にプレスリリースが掲載された際は、大いに注目を集めた。ニッチなコンセプトかと思いきや、案外こうした仕様を求める層は、それなりに存在しているのかもしれない。
ポインティングデバイスを装備したキーボードは数あれど、これほどの大玉ボールを搭載したモデルは珍しい。トラックボールを常用する一ユーザーとして、非常に興味をそそられる1台だ |
ポインティングデバイスを装備したキーボードとしては、現行ではタッチパッドやトラックパッドを採用したモデルが一般的だ。過去にはトラックボール搭載モデルも複数存在していたものの、基本的には指先ほどのボールを備えた代物であり、「Harpe TL」のような大玉ボールを搭載したモデルはほとんどないと言っていい。この手の仕様は産業用のコンソールなどにわずかに見られるのみで、コンシューマ向けでは極めて珍しいコンセプトだ。
ちなみにトラックボール自体は、もはや説明不要といえる古参のポインティングデバイス。精密な操作が可能な点や、腕全体を動かす必要がないことによる疲労軽減効果、さらにコロコロとボールを転がす独特の操作感から、いまだに根強いファンを抱えている。「Harpe TL」はそうした魅力がキーボードと一体化した、希少なオールインワンモデルというワケだ。
トラックボール搭載モデルであることを、ドドンとアピールする「Harpe TL」のパッケージ。付属品はペーパー1枚のみ、本体だけがボックス内部に収められている |
また、キースイッチについては、リリース時点では単に“Gaming Grade”のスイッチとされていたが、実際の製品にはKaihua Electronics Co., Ltd(本社:中国)製のKailhスイッチが採用されている。Cherry MX互換のメカニカルスイッチで、それぞれ打鍵感の異なる茶軸 / 青軸 / 黒軸 / 赤軸をラインナップ。編集部には、その中から青軸(Blue Switch)搭載モデルがサンプルとして届けられた。
そのほか、全キーにブルーのバックライトLEDを内蔵し、暗所における視認性を高めている。バックライトは「Fn」キーとの同時押しによる輝度調整が可能であり、同様にメディアコントロール用のショートカットキーも装備。ソフトウェアによるカスタマイズや追加機能には対応しない、単体で完結するシンプルなキーボードになっている。