エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.484
2016.04.15 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
引き続き「Kelvin S24」を使って、フロントパネル裏側にラジエターをマウントしてみよう。標準で搭載される140mm口径ファン「Dynamic GP-14」を取り外すと、最大で280mmサイズ(140mm口径ファン×2基)のラジエター搭載スペースが確保できる。そこへ120mm口径ファン×2基を搭載する、240mmサイズラジエターを、トップパネル同様の手順でネジ留め。水冷チューブにストレスが掛かる事なく「Kelvin S24」がマウントできた。
そのそもこのボディサイズから、「やせ我慢せずMicroATXにすればいいじゃないか」という意見もあるだろう。至極正論だ。全高を少し見直すだけで、244×244mmサイズのMicroATXが搭載できる。しかしそれではダメなのだ。
170mm四方に機能を詰め込んだMini-ITXをベースに、およそアンバランスとも思える大型CPUクーラーを搭載。ハイエンド志向のグラフィックスカードをチョイスすれば、ATXミドルタワークラスに遜色ないPCが完成する。Mini-ITXフォームファクタだからこそ、そのギャップが際立つのだ。
さらに最適化された設計により、本格的DIY水冷も構築可能。省スペース向けであるMini-ITXの概念にとらわれない、Fractal Designの提案は、スモールPCフォームファクタの新たな一面を見せてくれた。
規格から開放され、柔軟な発想により完成した「Define Nano S」は、自作エンスージアストの多くを満足させてくれるだろう。ちょっと大きめなMini-ITX対応PCケースは、ちょっとどころか実に楽しい。