エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.484
2016.04.15 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
リア部には排気方向に、120mm口径ファンが1基標準搭載されている。こちらも単体発売されている「Dynamic GP-12」で、ブラックのフレームとホワイトのインペラが特徴的だ。スペックは回転数1,200rpm、騒音値19.4dBA、風量52.3CFM、静圧0.88mmH2O。ベアリングは140mm口径同様の流体軸受け(ハイドロベアリング)で、MTBF(平均故障間隔)40,000時間とされる。
リア排気方向にマウントされる「Dynamic GP-12」。インペラ数は7枚で、高い静音性も特徴 |
ボトム面、フロント寄りのエリアには、120mm口径ファン1基が増設できる。設置面はハニカム状の通気孔仕様で、固定ネジ穴はスリットタイプ。前後方向に約75mmのストロークで搭載ポジションが選択できる。
ただしこのエリアは、標準状態で2.5 / 3.5インチ共用シャドウベイトレイが固定されているため、冷却ファンの増設とはトレードオフの関係にある。ストレージの収納力を落としてまで、冷却ファンを増設するメリットは果たしてあるのだろうか。
2.5 / 3.5インチ共用シャドウベイを外す事で、120mm口径ファンが搭載できるボトム面。パッシブタイプのVGAクーラーを搭載したグラフィックスカードに、直接風を当てるといった役割が想定できる |
ここまで冷却ファンレイアウトをチェックしてきたが、当然ながらそれらはラジエーター搭載スペースとして利用できる。マニュアルには「Water Cooling Radiator Options」と題した図説があり、これを見ると一目瞭然。ボディのどの部分にラジエーターが搭載できるかが分かる。
個別に見ていくと、フロント部には120 / 140 / 240 / 280mmサイズのラジエターが搭載可能。さらにトップ部には120 / 240mmサイズ。リアおよびボトム部には、それぞれ120mmサイズがマウントできるようになっている。このように、Mini-ITX対応PCケースとは思えない、多くのラジエーター搭載スペースを有する「Define Nano S」。Fractal Designがこのモデルに込めたメッセージを読み取る事ができる。
ラジエターの搭載箇所別に、最大幅や長さも開示。導入検討時から大いに参考になる |
Mini-ITX対応のミニタワーPCケースながら、ほぼミドルタワーPCケースと変わらない内部設計の「Define Nano S」。電源ユニット搭載スペースもボトムレイアウトが採用されている。
設置面は通気孔仕様で、大判防塵フィルタが開口部をカバー。電源ユニットがマウントされる四隅には、円形のラバークッションが装着されている。なお搭載方法は、一般的な背面ネジ留め式を採用。有効スペースは奥行き最大160mmとされている。
奥行き160mmまでの電源ユニットが搭載可能。ちなみに同一フロア上に3.5インチHDDを搭載した場合でも、公称最大サイズの電源ユニットと共存できる |
拡張スロットは全2段。170mm四方のMini-ITXフォームファクタの場合、スロット数が物理的に限られている。2スロット占有デザインのグラフィックスカード増設を想定すれば、2段あれば十分という計算だ。
拡張スロットブラケットは、斜めのスリット付き。ブラック塗装に映えるホワイトカラーが採用され、それぞれ独立し、ハンドスクリューで固定されている |