エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.484
2016.04.15 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
後半は構成パーツを用意し、「Define Nano S」で実際に組み込み作業を行う。マニュアルや製品サイトからは分からない事や、装着感および作業における注意点、各有効スペースを細かく解説していく。
まずは170mm四方のMini-ITX規格マザーボードを搭載してみよう。MicroATXも搭載できるであろう、広い内部構造。作業の妨げになるようなものはなく、既に装着済みのスタンドオフ4本に「Motherboard and Reservoir Bracket Screw」で固定すればいい。
検証に用意したのはASRock「Z170M-ITX/ac」。Mini-ITX対応PCケースとしては異例の広さだけに、周辺スペースにも余裕が感じられる |
マザーボードを搭載したところで、CPUクーラーの有効スペースをチェックする。なお製品資料によると、評価サンプルのアクリル窓付きモデルが高さ160mmまで、密閉タイプが高さ162mmまでとされる。
実際にCPUからサイドパネルまでの距離を計測すると、ほぼ公称値通り。Mini-ITX対応PCケースながら、ATX対応ミドルタワーPCケース同等のスペースが確保され、ハイエンド志向の高冷却サイドフロー型CPUクーラーも搭載できる。
公称160mm(窓付きモデル)の搭載スペースを確保。ATXミドルタワーPCケースと遜色ない設計が見て取れる |
次にマザーボードトレイ背面から、CPUクーラーメンテナンスホールの様子を見ておこう。CPUクーラーの搭載および換装時、マザーボードを固定したままで作業ができる便利なカットアウト。実測で幅約275mm、高さは約220mmだった。CPUソケット周辺にある、CPUクーラー用のネジ穴は完全に露出しており、ある程度のスペースも確保されている。これなら十分にその役割を果たしてくれることだろう。
ASRock「Z170M-ITX/ac」の背面を、CPUクーラーメンテナンスホールから観察。CPUソケット周りは十分に露出できている |
グラフィックスカードには、長さ270mmの2スロット占有デザインモデルを用意。搭載スペース周辺および基板延長線上のクリアランスをチェックしてみよう。メーカー公称では、フロント標準搭載冷却ファン(25mm厚)があった状態で、長さ最大315mmまでとされている。
フロントファン搭載時で315mm、非搭載時で335mmまでのグラフィックスカードに対応。ATXさながらのハイパフォーマンスPCが構築できる |
実際に搭載すると、グラフィックスカードと冷却ファンまでの距離は約40mm強あまり。イマドキの市販モデルは長さ300mm以下が多いため、Mini-ITXながらパワフルなPCが構築できる。ただし気になる点もあり、直下の電源ユニットとの空きスペースは実測で約7mm程度しかない。ハイエンドグラフィックスカードの多くは、メーカーオリジナルのVGAクーラーがマウントされている。デュアルファンやトリプルファン仕様の場合、電源ユニットエリアと重なる部分の吸気がやや懸念される。