エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.485
2016.04.29 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「SST-PM01」の外装周りをチェックした後は、いよいよ内部構造に迫っていこう。比較的派手なデザインから外観に注目しがちだが、そこはSilverStoneのPCケース。内部にも”見せ場”がたくさん仕掛けられている。
なおこのモデルを解説する上で事前に知っておく必要があるのは、SilverStoneが提唱する「正圧設計」であること。これまでの検証で何度も解説してきたキーワードだが、簡単におさらいしておくと、吸気量が排気量を上回る状態を作り出す事で、効率的なエアフローと防塵効果が期待できる。SilverStoneのミドルタワーPCケースのほとんどは、「正圧設計」をベースに設計されている。
「正圧設計」が採用されている内部構造。ボトム部にはSilverStoneのロゴがあしらわれたカバーが装着されている。まずはここから解説を進めていこう |
左サイドパネルを外すと、まず目に付くのがSilverStoneロゴがあしらわれたカバーの存在だろう。最近よく目にするこのカバーは、軽々に”デュアルチャンバー構造”と呼ばれる事がある。確かに間違いではないが、熱源を分離するという”効能”は、どれほどのものだろうか。実際にこの中に収められる電源ユニットは、底面吸気&外排気で、PCケース内部への影響は最小限に留められている。一方、カバー内部で同居するシャドウベイは、ドライブからの発熱を閉じ込める一定の役割は期待してもいいだろう。
SilverStoneロゴ入りのプラスチック製カバー |
なお「SST-PM01」では”楽屋裏のケーブル類一切を隠す事ができるカバー”として紹介。実用的効能は謳わず、「魅せるPCケース」たるドレスアップ効果を全面に押し出したギミックという立場をとっている。
「SST-PM01」は、向かって左サイドのメインエリアにドライブベイの類いは無く、ボトム部のプラスチック製カバー内部または、マザーボードトレイ背面に集約されている。ストレージにはどうしてもケーブルの接続が必要で、見栄えがよろしくない。極力配線を露出させないためには、このスタイルが最良というワケだ。
さて、フロント寄りボトム部を見ると、ケージタイプのシャドウベイがある。ちょうど電源ユニットの高さの範囲内で、3台分の専用トレイを用意。2.5インチSSDまたは、3.5インチHDDが搭載できる。
ツールフリーで抜き差しできるABS樹脂製の専用トレイは3台分を用意。2.5 / 3.5インチ共用シャドウベイは、電源ユニット搭載エリアと同じく、プラスチックカバー内に収められている | |
専用トレイは3.5インチHDDが付属の「Screw D」で側面ネジ留め。2.5インチSSDが付属の「Screw B」で底面ネジ留め。コネクタは右サイドパネル側に向けてマウントする |
マザーボードトレイ背面、CPUクーラーメンテナンスホールの下位置には、2.5インチ専用トレイ2台分が用意されている。専用トレイはハンドスクリュー1本で固定。ここに2.5インチSSDの底面ネジ穴を使いマウントできる。
2.5インチ専用トレイは2台分。トレイ自体は右下1本のハンドスクリュー固定。トレイ上部はマザーボードトレイにスライドロックできる仕組みで、着脱自体はツールフリー仕様とした |
右側面のフロント寄り縦列は、2.5インチドライブ専用の増設スペース。SSDを横置きできるネジ穴として、合計3台分が用意されている。
マザーボードトレイ背面のフロント寄り縦列の空きスペースを利用した、2.5インチドライブ増設スペース。SSDの固定は底面にある4つの穴でネジ留する |
電源ユニット搭載エリアと、ケージタイプのシャドウベイ間の空きスペースにも、2.5 / 3.5インチドライブが1台搭載できる。底面には2タイプのネジ穴が用意され、2.5インチSSDまたは3.5インチHDDがマウント可能。いずれもシャーシ底面からのネジ留め式が採用されている。
底面の空きスペースも有効活用。ただし電源ユニットと場所を分け合う関係にあるため、スペースの制限は覚悟しなければならない |