エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.486
2016.04.30 更新
文:GDM編集部 池西 樹
メモリには動作クロック2,666MHz、動作電圧1.20VのG.SKILL「F4-2666C15D-8GVR」を使用。レイテンシは15-15-15-35 |
ASRockでは、Intel Z170チップ以外のマザーボードに対して、メモリパフォーマンスを向上させる「DDR4 Non-Z OC」機能を実装している。これはメモリクロックの代わりに、レイテンシを低減することで最大5%帯域幅を拡張できるというもの。さらにBCLKを調整できる「H170 Pro4/Hyper」では、メモリクロックそのものを引き上げることも可能だ。そこで、今回は「DDR4 Non-Z OC」、およびメモリクロックのチューニングを試してみることにした。
2,666MHz動作に対応するオーバークロックメモリを使用しているため、「DDR4 Non-Z OC」はすべてのプリセットで問題なく動作。さらにBCLK 170MHz時には2,726MHzまでは安定動作した。ちなみにCeleron G3900Tでも、BCLK調整時にはオーバークロック動作が可能だったことを付け加えておく。
最後にメモリオーバークロックの効果を「Sandra 2016」を使い簡単にチェックしておこう。いずれもCPUにはCore i5-6400を使用し、メモリ帯域とレイテンシについて確認している。
Sandra 2016:メモリ帯域(GB/sec) | |
Sandra 2016:メモリレイテンシ(ns) |
「DDR4 Non-Z OC」のスコアを確認すると、メモリ帯域・レイテンシとも定格から有意な差は見られず過度の期待は禁物だ。一方、2,726MHz動作時はメモリ帯域は約18%向上、レイテンシも約10%削減された。これまでIntel Z170でしか使用できなかったオーバークロックメモリが使える点でも、外部クロックエンジン「Hyper BCLK Engine」の実装は大きなメリットと言えるだろう。
Intel Z170シリーズ以外のチップセットでオーバークロックを可能にする。“禁じ手”とも言える「H170 Pro4/Hyper」は、話題先行モデルという印象が強く、検証を行う前までは、“さほど極端なオーバークロックはできないだろう”と高をくくっていた。しかし、実際にテストを進めるとBCLKの調整だけで軽々4GHzをクリア。堅牢な電源回路にも支えられ、カツ入れ時は4.60GHzを達成するなど、その有効性を十二分にアピールする結果となった。
“オーバークロック=ハイエンド”というイメージだが、ASRock「Hyper」シリーズなら、下位モデルで上位モデルに匹敵するパフォーマンスを引き出すという、自作PC本来の醍醐味であるオーバークロックが楽しめる |
さらにBCLK調整に伴い、オーバークロックメモリが使えるのも大きなポイント。別途グラフィックスカードが必要になる他、一部の機能が無効になるなど、少なからずデメリットはあるものの、それらを差し引いても魅力的な存在だ。最廉価構成ならマザーボードとCPUを購入しても20,000円でお釣りが来る計算。DDR4メモリも安価になっている今、Skylakeでオーバークロックを楽しみたいならぜひ「Hyper」シリーズの購入をオススメしたい。