懐かしのPCパーツ図鑑番外編
2016.05.05 更新
文:GDM編集部 池西 樹
「VB6002」が正式に対応するCPUはVIA C7Mの他、DothanコアのPentium M / Celeron Mシリーズのみ。同じSocket 479でもより古いBaniasコアについては言及されていない。そこで最後に、手元にあったBaniasコアモデルCeleron M 340を使い、動作を確認してみることにした。
Baniasコアを採用するCeleron M 340(1.5GHz / キャッシュ512KB / FSB400MHz / 24.5W)で動作を確認 | |
ダイサイズは82m㎡とされ、VIA C7Mよりかなり大柄。ノートPC向けらしくTjunctionは100℃に設定され、高温環境にも耐えられる |
DothanとBaniasはピン互換のためソケットへの搭載は問題なし。またCPU選択のジャンパピンはFSBを400MHz、電圧を1.5V、CPUセレクトをIntelに設定したところ、OSも無事起動させることができた。ただしVIA C7Mに比べて発熱は多く、ファンレス状態だとCPUクーラーがかなり熱くなるため、冷却ファンの追加は必要になるだろう。
Windowsのシステム情報では「Celeron M 1500MHz」として認識 | |
「CPU-Z 1.76.0」で確認したところ、倍率、FSB、電圧とも正しく設定されているようだ |
現在のようにMini-ITXマザーボードのラインナップが充実しておらず、省電力CPUの選択肢も少なかった時代。静音・コンパクトなPCを構築したいユーザーにとって、Pentium Mシリーズも使える「VB6002」は注目の製品だった。さらにすでにVIAがCPUオンボードへとシフトしていたこともあり、稀有なソケット対応CPUが付属する「VB6002 15000G」や「VB6002 18000G」は、コレクターズアイテム的な意味合いも強かった。かくいう筆者も、特価情報を知るとすぐに購入に走った1人だ。
IntelやAMDから省電力向け製品が登場したこともあり、現在では完全に組み込み向けにシフトしたVIA。久しくコンシューマー向け製品はリリースされていない |
動作検証についてはトラブルにより苦労はしたものの、何とかOSのインストールまでは漕ぎつけた。とはいえ、根本的な解決には至らず、やや不完全燃焼だ。近頃では、より省電力で性能のよいものが揃っており、いまさら使うメリットはないものの、製品の状態が比較的良好なため、何とか正常動作できるよう、この連休を利用してもう少しあがいてみようと思う。