エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.490
2016.05.23 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
SFX電源を採用するケース、そしてそれに搭載されるシステムといえば、かつては小型・省電力なPCが主流だった。しかしそうしたスモールフォームファクタを取り巻く環境は、今ではだいぶ様相が変わってきている。サイズ感にこだわりつつ、計算し尽くされた設計でハイエンドグラフィックスや水冷クーラーの組み込みを可能にする、魅力的な小型ケースも多数。ミニマムでハイパフォーマンスという相反する要素の両立が、すでに現実的な選択肢として検討できるようになった。
ところがそうしたハイエンドマシンの心臓に相応しい大容量のSFX電源となると、まだまだ多様性に乏しいというのが現状。今回の「SF」シリーズは、そんなジレンマを抱える自作マニアの前に現れた、新たな注目モデルというワケだ。
スモールフォームファクタでハイエンドなマシン構築をするには欠かせない、大容量の新型SFX電源「SF600」。ATX電源のイマドキ要素を網羅、信頼性でも負けない本命モデルだ |
80PLUS GOLD認証を取得した低発熱・高効率のモデルであり、最大容量の「SF600」はハイエンドマシンの要求を満たす容量600W。冷却機構には可能な限り大口径なファンを搭載し、イマドキなセミファンレス動作にも対応する。フルモジュラー仕様のケーブルもまた、内部容積の限られるスモールフォームファクタのケースと相性抜群。CORSAIR初のSFX電源でありながら、ATX電源で培ったノウハウと最先端の機能を盛り込んだ、実に洗練されたモデルに仕上がっている。
さらに搭載コンデンサのすべてに日本メーカー製の105℃品を贅沢に使用するなど、7年間の長期保証を可能にした高い信頼性は、製品最大の魅力。機能・信頼性でATX電源に匹敵、もはやSFX電源を理由にスモールフォームファクタを忌避する理由はなくなった。自作の自由度をさらに広げてくれる、新モデル「SF600」の功績は大きい。