エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.492
2016.05.28 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ここからはドライブベイレイアウトを順にチェックしていこう。奇をてらわない設計の「P9」では、近頃省略される事の多い5.25インチオープンベイを3段備えている。現在の自作PC事情から、光学ドライブは1台搭載できれば十分だが、ドライブベイアクセサリの増設を目論む人にとっては実用的な設計となるだろう。なお全3段のうち、最下段のみ3.5インチHDDが搭載できる排他仕様になっている。
最上段のみカットされ、残り2段は必要に応じてパネルを取り払う仕組み。光学ドライブの固定はツールフリーで、予め装着されている大型ハンドスクリューでドライブ側面をネジ留めする | |
ハンドスクリューによるツールフリー機構は上から2台分のみの装備。なおベゼルは両側面のツメで固定されており、フロントパネルを外す事なく内側から着脱が可能 |
全3段構えの5.25インチオープンベイ、その下に位置するのは3.5インチHDDケージだ。1つのユニットに見えるHDDケージは、2つのユニットを積み重ねる格好で構成。ユニット毎にプラスチック製専用トレイが4段ずつ、合計8段を装備する。なおトレイは3.5インチおよび2.5インチにも対応し、最大8台のHDDまたはSSDがマウントできる。
上下2段に分割された、ケージタイプの2.5 / 3.5インチ共用シャドウベイ。最大8台のSSD / HDDが搭載できる大容量ストレージ格納スペースだ | |
搭載方法は、3.5インチHDDが両側面のピン固定(ツールフリー)、2.5インチSSDが底面ネジ固定 |
次にHDDケージの着脱手順を確認しておこう。上段はユニット上下に設けられたレバーを解除し、手前にスライドさせるだけで取り外しが完了。下段ユニットは底面4本と、マザーボードトレイ側(背面)2本のネジを外す必要がある。なおHDDケージ着脱機構のメリットとして、上段を取り外すことで実測約300mmのグラフィックスカード搭載スペースが430mmまで拡張。下段を取り外すとリザーバータンクをマウントすることもできる。
上段のHDDケージは上下レバーによるツールフリー固定 | ネジ留めされた下段(左)の天板には上段HDDケージ用のレールが固定されている |
HDDケージをすべて取り払った状態。付属のブラケットを使えば、リザーバータンクの設置も可能。さらに240mmサイズラジエターもフロント部に固定できるようになる |
右サイドパネルを外し、マザーボードトレイ背面側に目を移すと、右下の角に2台分の2.5インチ専用のシャドウベイが装備されていた。近頃のPCケースは、ケーブルマネジメント機構を重要視する事もあり、マザーボードトレイ背面のスペースを実用的な範囲で確保。これを有効に活用すべく、2.5インチSSDが搭載できる製品が増えている。ちなみに9.5mmまたは7mm厚いずれも搭載が可能だ。
マザーボード背面右下にある、2.5インチ専用シャドウベイ。SSDは底面4箇所をネジ留め。コネクタを上方向に固定する必要がある |
拡張スロット数は全8段を用意する。ブラケットはメッシュ仕様で、よくあるスリットタイプよりも見た目の風通しは良さそうだ。なおブラケット固定にはハンドスクリューが使用されていた。
ハンドスクリューで固定された、拡張スロットブラケット。通気性は抜群のメッシュ仕様だが、一方でスリットタイプよりもブラケット自体の強度は低い。ただしこのパーツに強度は不要 |
オプションの電源ユニットは、ボトムレイアウトを採用する。搭載エリアの底面には防塵フィルタを備えた通気孔を用意。電源ユニット内蔵の冷却ファンは、ここから外気を取り込む。なお有効スペースは公称180mm(奥行き)までとされる。
電源ユニット搭載エリアには、左右に台座が設けられ、設置面にはラバーを装着。底面には背面スライドに対応する防塵フィルタが装備されていた。なお有効スペースは180mmとされているが、隣接するボトムファン(120mm)増設スペースを使わなければ約300mmまで空間が確保できる |