Antec「P9」を使って実際に組み込んでみる

最終セッションでは実際に構成パーツを用意し、Antec「P9」へ組み込み作業を行ってみよう。例によって資料や製品サイトの情報だけでは分からない事、組み込み中に気が付いた事、周辺クリアランスの計測等、より詳細に解説していく。

マザーボードを搭載してみる

まずはマザーボードを搭載してみた。搭載テストには305×244mmのATXマザーボードを用意。主に冷却ファンまたはラジエターが搭載可能なトップパネルまでのクリアランス、さらにHDDケージまでの空きスペースをチェックしてみよう。

マザーボードを装着するための開口部は十分に確保され、ゆったりと作業を進める事ができる。なおスタンドオフは予め固定されており、必要に応じて追加すればいい
冷却ファン固定用の穴があるトップパネルまでの距離は、実測で約60mm。天井が高い設計だけあってクリアランスは十分だ	右方向HDDケージまでの距離は実測で約75mm。縦に並ぶスルーホールは完全に露出し、ケーブル類を背面に引き回しが可能

CPUクーラー有効スペース

幅210mmの比較的細身なボディ、さらにリア排気ファンの口径は120mmに留められている。公称165mmのCPUクーラー有効スペースは、妥当な数値とみるべきだろう。大口径ファンを搭載する”超ハイエンド志向”の大型サイドフローは適わなくとも、搭載可能な高冷却タイプの選択肢は多いはずだ。

CPUクーラーの有効スペースは165mmを確保。これだけのクリアランスがあれば、システム構成にあったサイドフロー型CPUクーラー選びに苦労する事はないだろう

CPUクーラーカットアウト

マザーボードを取り付けたタイミングで、マザーボードトレイ背面からCPUクーラーメンテナンスホールの様子を見ておこう。カットアウトのサイズを計測すると、縦が約160mm、横幅は約140mmといったところ。CPUクーラー非搭載の状態だが、大型バックプレートを装着する場合、やや左側列の干渉が気になるところ。それでも一般的なサイズのバックプレートであれば、全てを露出する事ができるはずだ。

最近扱ったPCケースの中では、横幅は若干狭い印象。恐らく大丈夫なはずだが、バックプレートのサイズや形状によりギリギリ収まる事になる可能性がある