エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.493
2016.06.18 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
最後は実際のゲームプレイを想定したテストとして、「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を動作させてみよう。設定プリセットは、DirectX 11モードの「最高品質」を選択。さらにGTX 980の機能である「Dynamic Super Resolution(DSR)」を有効にした上で、3,840×2,160ドットの解像度で検証を行った。
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」による各電圧の変化 | |
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」による各電圧の最大/最小/平均値 |
テスト中における消費電力は最大263W。各電圧の出力特性を確認すると、「3DMark」時と同様に最小値でも定格出力をしっかり維持できている。+12Vの最大・平均値の差は0.092Vと他のテストと同様に微小に抑えられており、実に頼もしい安定動作を示してくれた。高負荷が連続するようなタフなシーンにおいても、システムが不安定になることはないだろう。
比較的手頃なGOLD認証モデルも手に入るようになった自作市場において、新たにBRONZE認証のエントリーモデルとして登場した「GXII Ver.2」シリーズの検証を行った。モジュラーケーブルやセミファンレスといった華のある機能はオミットされているものの、電源ユニットの本分である信頼性にフォーカスした、実に堅実なモデルに仕上がっている。100%日本製コンデンサや独自回路に裏打ちされた出力の安定性は、ハイエンドモデルにも負けてはいない。さすがはベストセラー電源の姉妹モデルといったところだろうか。
こだわりの搭載コンポーネントが実現した極めて高い信頼性に加え、ショート設計&フラットケーブルの使い勝手の良さ。派手な機能はないが、「GXII Ver.2」シリーズは電源ユニットとしてよく完成されている |
また、今回検証に使用したのはGeForce GTX 980搭載のグラフィックスカードだが、消費電力の近い最新Pascal世代のGTX 1080 / GTX 1070搭載カードでも同様の安定動作が期待できるハズ。奥行きの短いコンパクトボディも好印象で、ミドルレンジからハイエンド、大型ケースからスリムタワーに至るまで、幅広いスペック・システム構成に対応してくれるだろう。
ただしこのクラスの電源ユニットはライバルも多いことから、新たな定番モデルの座を勝ち取るには、まだ厳しいチャレンジが待っている。製品としての品質は確かなだけに、もう少し価格がこなれてくれることに期待したい。