エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.494
2016.06.24 更新
文:GDM編集部 池西 樹
ベンチマークのラストは消費電力をチェックしておこう。高負荷時は「OCCT 4.4.2:POWER SUPPLY」を30分実行した中の最高値、アイドル時は起動直後10分間放置した際の最小値を採用している。
消費電力(W) |
一般的な電源ユニットに比べて電源効率の高いACアダプタを使用していることもあり、「J3160DC-ITX」は最大でも19.5Wと省電力性は優秀。G3900Tとの比較では、アイドル時は18.7W、高負荷時には43Wと大きな差がついた。またファンレスだけあって冷却が不安な人もいるだろう。しかし今回のテストでSoCは最高75℃前後で推移。ヒートシンクの温度も60℃前半までしか上がらず、窒息系のコンパクトケースを使わない限り問題はなさそうだ。
「OCCT 4.4.2:POWER SUPPLY」を30分実行した状態の温度を「FLIR ONE」で撮影。ヒートシンクで最も温度の高いところでも62℃を超えることはなかった |
今回はIntelの新SoC Braswell Refreshを搭載するファンレスマザーボード「J3160DC-ITX」にスポットを当て検証を行ってきた。さすがにSkylakeとの比較では大きく溝を開けられたものの、Haswell以前のローエンドモデルとの差はかなり縮まってきている印象。特にGPU性能は着実に進化し、ライトなオンラインゲームであれば遊ぶことができるレベルまで改善されている。DDR3メモリが使えること、さらに最大16GBまでの増設に対応するなど、ASRock独自の味付けも魅力のひとつだ。
省電力SoCと高効率なACアダプタの組み合わせで圧倒的な省電力性を実現。ケース内部の発熱源を減らす効果も期待でき、完全無音PCを無理なく構築できる |
そして何より注目なのが、電源効率の高いACアダプタ駆動による省電力性。デスクトップCPUでは最も消費電力の低い35Wクラスの「T」シリーズと比較しても約1/3程度しかなくまさに圧倒的。さらにケース内部の発熱源を減らす効果があるのもファンレスPCを構築する上では大きなメリットだ。
近頃のPCパーツは静音性を重視した製品が増え、以前に比べると騒音に悩まされることは少なくなっているが、やはりゼロスピンドル構成にはかなわない。静音性を特に重視するなら、ACアダプタが同梱される「J3160DC-ITX」をベースにした、完全無音PCにぜひ挑戦してみて欲しい。