エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.496
2016.07.07 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
GIGABYTE「GTX 1080 G1 GAMING」(型番:GV-N1080G1 GAMING-8GD) 実勢売価98,000円前後 製品情報(GIGABYTE)(CFD販売株式会社) |
本題に入る前に、まずはNVIDIAから最新ハイエンドGPUとして登場した「GeForce GTX 1080」についておさらいしておこう。これまでグラフィックス市場を支配してきた第2世代Maxwellの後継としてリリースされたGPUで、製造プロセス16nmのFinFETトランジスタを採用するPascalアーキテクチャに刷新。実に72億個ものトランジスタを集積し、単精度演算性能は9 TFLOPSに達する。
微細化により電源効率がさらに向上したのはもちろん、GTX TITAN XやGTX 980のSLI構成をパフォーマンスで上回るなど、高速化を実現。5月の「NVIDIA Special Event!」にて、同社の創設者Jen-Hsun Huang氏から“NEW KING”として紹介されたのも記憶に新しい。
Pascalアーキテクチャを採用する、シングルGPU最強の存在として登場した「GeForce GTX 1080」。発表イベントでは“NEW KING”と紹介され、その高性能と省電力性能に世界の自作ユーザーが驚かされた |
CUDAコア数は2,560基で、動作クロックはコアベースクロック1,607MHz、ブーストクロック1,733MHzと、かつてない高クロック動作を実現。自動オーバークロック機能にも手が入れられ、電圧とクロックをよりきめ細かく制御する第3世代の「GPU Boost 3.0」が導入された。
さらにビデオメモリには、データレートをGDDR5の倍に引き上げた「GDDR5X」を初めて採用。実クロックにして10,010MHz動作が可能になっただけでなく、メモリ帯域もGeForce GTX 980の224GB/secから320GB/secへと拡大。高解像度環境やVR環境へと最適化されている。
スペック詳細不明のプレスリリース一発目から話題になっていた、「GTX 1080 G1 GAMING」が初めて姿を現したのはCOMPUTEXのGIGABYTEブース。動作デモの記事にも多くの注目が集まった |
そしてGeForce GTX 1080グラフィックスカードの中でも、市場にいち早く登場したオリジナルモデルこそ、今回の主役である「GTX 1080 G1 GAMING」だ。最大の特徴は、何といってもGIGABYTE自慢の3連装ファンクーラー「WINDFORCE 3X」。3本の複合ヒートパイプや特殊フィン構造に加えて、これまた特殊なブレード形状のファン3基を組み合わせ、リファレンスの「Founder’s Edition」を遥かにしのぐ冷却性能を発揮する。幅広いユーザーに配慮した、オンオフできるセミファンレス機能を備えるなど、使い勝手も抜群にいい。「COMPUTEX TAIPEI 2016」にて動作デモが行われた際にも、大きな注目を集めたモデルだ。
動作クロックはもちろん標準でオーバークロック仕様。専用ユーティリティによる“ワンクリックOC”により、最大(OCモード時)でベースクロック1,721MHz(リファレンス1,607MHz)、ブーストクロック1,860MHz(同1,733MHz)で動作する。メモリクロックは10,010MHzでメモリバス幅256bit、ビデオメモリはGDDR5X 8GBだ。
瞳を意匠化した、おなじみのブランドイメージに身を包んだ「GTX 1080 G1 GAMING」。ハイエンドモデルならではの“買ったぞ感”が味わえる、大柄なパッケージが採用されている | |
外装では「WINDFORCE 3X」や選別チップの採用、イルミネーション機能などの解説を記載。カード本体は、「G1 GAMING」ブランドのロゴがプリントされた内箱に丁寧に収納されている | |
現在は、同じく「WINDFORCE 3X」を搭載するPascal世代のGTX 1070グラフィックス「GeForce GTX 1070 G1 Gaming」(型番:GV-N1070G1 GAMING-8GD)も販売中。発売時には複数のショップで“瞬殺”となり、話題になった |
なお「GTX 1080 G1 GAMING」は、「GPU Gauntlet Sorting」に基づく電源効率に優れた選別チップを搭載。さらに8+2フェーズの強靭な電源回路や、独自規格「Ultra Durable VGA」に準拠した高品質コンポーネントといった、信頼性にすぐれた選りすぐりのパーツで構成されている。(保証対象外ではあるものの)自身で出荷値以上のチューニングにチャレンジする向きには、実に頼もしい装備だ。
そのほか、内蔵LEDのカラーや発光パターンが変更できる、1,680万色カスタムのライティング機能「16.8M Customizable Color Lighting」という魅せる機能もアリ。目に見えるスペックだけでなく、ドレスアップ要素に至る様々な魅力が詰めこまれている。